ローソク足と十字線・プロトレーダー実践での使い方

ローソク足十字線

十字線とは、投資家心理から言えばそれまでの売買の勢いが無くなり、買いと売りの圧力が拮抗した状態となった状況です。

十字線の次に出現するローソク足によっては相場の転換となる可能性があるとても重要なローソク足です。

十字線には様々な種類がありますが、どの十字線も次に出現するローソク足によって相場の進む方向が決まってくるという特徴を持ったローソク足なので十字線と次のローソク足とセットで覚えることが重要です。

この記事では十字線を存分に使いこなす為のトレード方法も紹介します。

ローソク足分類

ローソク足分類

ローソク足は市場心理という観点から見た場合、大きく2種類に分類されます。

順行タイプ

通常のローソク足や大陽線や大陰線

通常のローソク足や大陽線や大陰線

市場のそれまでのトレンドや流れにそったローソク足。

上昇基調であれば時間経過と共に陽線で価格を押し上げていくローソク足。

下降基調であれば時間経過と共に陰線で価格を押し下げていくローソク足。

時間経過と共に価格が変動していくので市場心理はイケイケ状態の時に出るローソク足のタイプです。

迷いタイプ

通常のローソク足と異なる形状のローソク足

通常のローソク足と異なる形状のローソク足

市場のそれまでのトレンドや流れが上昇基調で時間経過しても価格を押し上げていないローソク足。反対に下降基調で時間経過しても価格を押し下げていないローソク足。

時間経過しても価格変動幅が少ないので市場心理は迷っている状態の時に出るローソク足のタイプです。

十字線とは(別名 寄引同時線)

十字線とは

時間経過しても始値と終値がほぼ同じ価格帯で終わったため、ローソク足の実体がないものを十字線と言います。

十字線の市場心理は買いの勢力と売りの勢力が拮抗している状態で迷いタイプに分類されます。

レジスタンスやサポート付近で十字線が出現した場合、次に出るローソク足によっては上昇基調だった場合には下落へ、下降基調だった場合は上昇へと転換する可能性があります。2018年のUSDJPYの日足チャートでの事例です。2018年のUSDJPYの日足チャートでの実例です。

十字線の種類と傾向

十字線の種類と傾向

 十字線と言っても様々な種類があります。

どれも相場が転換する可能性があるものですので意味と使い方を覚えておくと良いでしょう。

十字線

十字線

チャートの実例

十字線の実例

上記のAUDCADチャートで十字線が出現したのは、2019年6月3日です。若干、下ヒゲより上ヒゲの方が長いですが、比較的見やすい形の十字線です。

上ヒゲと下ヒゲがほぼ同じ位の長さで実体のないローソク足のことです。

このローソク足がサポレジ付近で現れた時に意味することは、両方のヒゲの長さが短いほど相場全体の様子見ムードが高く、買いと売りの攻防がそれほど激しくない状況の時と判断することが出来ます。

2種類の十字線

十字線には2つのタイプがあります。

十字線のAタイプ

Aタイプ=上げ失敗タイプ

解説:レジスタンスを試しにいったが、レジスタンスブレイク失敗におわり売りに押されているタイプ

十字線のBタイプ

Bタイプ=下げ失敗タイプ

解説:サポートを試しにいったが、サポートブレイク失敗におわり買いに押されているタイプ

足長十字線

足長十字線

足長十字線の実例

 

足長十字線の例

上下に長く伸びた十字線のことを足長十字線と言います。

両方のヒゲの長さが長いほど買い方と売り方が激しく戦った証拠であり決着がつかなかったことを意味します。

このローソク足がサポレジ付近で現れた時に意味することは、買いと売りが激しく戦った末に決着がつかなかったことから、どちらかが勝てばその方向に大きく動く可能性があります。更にそこから新しいトレンドが発生するケースもあります。

2種類の足長十字線

足長十字線には2つのタイプがあります。

Aタイプの足長十字線

Aタイプ=上げ失敗タイプ

解説:レジスタンスを試しにいったが、レジスタンスブレイク失敗におわり売りに押されているタイプ

Bタイプの足長十字線

Bタイプ=下げ失敗タイプ

解説:サポートを試しにいったが、サポートブレイク失敗におわり買いに押されているタイプ

トンボ

トンボの解説図

ローソク足トンボの実例

ローソク足トンボ

上ヒゲがないのローソク足。

始値から売り方優勢で下落。前半は売り方に押されて下落するが売り切ったあとから買い方が巻き返して上昇。

結局、始値を超えられずに終わったローソク足。高値圏のレジスタンス付近に現れれば高値を買い上る勢いが衰えてきたことを意味します。反対に底値圏のサポート付近に現れれば押し返す買い勢力が有ることを意味します。

トウバ

塔婆の解説図

ローソク足トウバの実例

ローソク足トウバ

下ヒゲがないのローソク足。

始値から買い方優勢で上昇。前半は買い方に押されて上昇するが買い切ったあとから売り方が巻き返して下降。結局、始値を下回れずに終わったローソク足。

高値圏のレジスタンス付近に現れれば高値を買い上る勢いが衰えてきたことを意味します。反対に底値圏のサポート付近に現れれば買い戻しの傾向が高まっているこを意味します。

また、このローソク足は形がトンカチにも似ているため、「トンカチ」とも呼ばれています。

実戦での十字線の使い方

買い場合での十字線の使い方

十字線は単体で使うものではなく、買いの場合はサポートと十字線と十字線の次に出る大陽線の3点セットで使います。サポートと十字線と十字線の次のローソク足、それぞれの関係性を見ていくことが重要です。

売り場合での十字線の使い方

売りの場合はレジスタンスと十字線と十字線の次に出る大陰線の3点セットで使います。

レジスタンスと十字線と十字線の次のローソク足、それぞの関係性を見ていくことが重要です。

十字線の使い方レベル1

ここでは、十字線と十字線の次に出るローソク足との関係性について深く解説していきます。

基本的に買いの場合はアップトレンド、売りの場合はダウントレンドが出ている状況が良いです。

手順1

買いの場合

手順1買いの場合

アップトレンド中にサポレジをブレイク。
その後、サポート付近で十字線出現を待ちます。

この時、まだエントリーはしません。

売りの場合

手順1売りの場合

ダウンレンド中にサポレジをブレイク。
その後、レジスタンス付近で十字線出現を待ちます。

この時、まだエントリーはしません。

手順2

買いの場合
大陽線のローソク足完成

次に大陽線のローソク足完成を待ちます。

大陽線が理想

陽線ローソク足も下げ失敗タイプの大陽線が理想です。

十字線の高値より大陽線終値が高い

注意するポイントは十字線の高値より大陽線終値が高いことです。

十字線の高値より大陽線終値が高くない場合は買い手のパワー不足と見ることが出来ます。

下げ失敗タイプのBタイプ

十字線と大陽線が同じ下げ失敗タイプのBタイプだとローソク足の動きを波形で捉えた場合、Wボトムのネックラインブレイク成功の動きとなり、その後上昇する確率が飛躍的に高まります。

上げ失敗タイプのAタイプ

反対に十字線と大陽線が同じ上げ失敗タイプのAタイプだとローソク足の動きを波形で捉えた場合、特に大陽線の波形が急上昇→急落→急上昇の動きをしているので非常に不安定な動きで今後急落の可能性が高く含まれている状態です。

ですから、この組み合わせの場合は更に次のローソク足終値が大陽線の高値を超えているかどうかを見た方が良いです。

売りの場合
大陰線のローソク足完成

次に大陰線のローソク足完成を待ちます。

上げ失敗タイプの大陰線

陰線ローソク足も上げ失敗タイプの大陰線が理想です。

十字線の安値より大陰線終値が低い

注意するポイントは十字線の安値より大陰線終値が低いことです。

十字線の安値より大陰線終値が低くくない場合は売り手のパワー不足と見ることが出来ます。

十字線と大陰線が同じ下げ失敗タイプのBタイプ

十字線と大陰線が同じ上げ失敗タイプのAタイプだとローソク足の動きを波形で捉えた場合、Wトップのネックラインブレイク成功の動きとなり、その後下降する確率が飛躍的に高まります。

十字線と大陰線が同じ下げ失敗タイプのBタイプ

反対に十字線と大陰線が同じ下げ失敗タイプのBタイプだとローソク足の動きを波形で捉えた場合、特に大陰線の波形が急下降→急上昇→急下降の動きをしているので非常に不安定な動きで今後上昇の可能性が高く含まれている状態です。

ですから、この組み合わせの場合は更に次のローソク足終値が大陰線の安値を超えているかどうかを見た方が良いです。

見送りケース

次のケースなった場合は、見送ったほうが良いです。

見送りのケース1
見送りのケース1

買いも売りも十字線の次も十字線などのローソク足が出た場合。

見送りのケース2

買いの場合

終値がサポートを割り込んだ

十字線の次が大陰線で陰線の終値がサポートを割り込んだ場合。

売りの場合

レジスタンスを割り込んだ

十字線の次が大陽線で陽線の終値がレジスタンスを抜けた場合。

手順3

買い場合

手順3買い場合

1 アップトレンド中にサポートに対して十字線と大陽線完成。

2 十字線の高値より大陽線終値が高い

3 十字線も大陽線も下げ失敗タイプのBタイプが理想。

以上の条件を満たした時に大陽線完成時にエンントリーです。

売りの場合

手順3売りの場合

1 ダウントレンド中にレジスタンストに対して十字線と大陰線完成。

2 十字線の安値より大陰線終値が低い

3 十字線も大陰線も上げ失敗タイプのAタイプが理想。

以上の条件を満たした時に大陰線完成時にエンントリーです。

十字線の使い方レベル2

レベル1では、十字線と十字線の次に出るローソク足との関係性について深く解説しました。レベル2では、更にサポレジとの関係性について掘り下げて解説していきます。

買いの場合サポートの種類

レベル2では買い条件を満たしたローソク足のすぐ下にあるサポートの種類について解説します。

買いの場合サポートの種類

サポートの種類は、1分足で形成されるサポートから月足で形成されるサポートまであります。しかし、高確率を狙うトレード方法であればサポートは日足と週足と月足の3種類に限定するのが良いです。

なぜなら、日足未満の時間足で形成されるサポートは日足以上で形成されるサポートに比べて格段にローソク足1本分に詰まっている資金が少なくて信頼性が低いからです。

単純に計算しても1時間足の24倍の資金が日足には詰まっています。1時間足の120倍(24✕5)が週足です。 更に1時間足の約480倍(24✕20)が月足です。

資金の詰まっている時間軸のサポレジほど信頼性が高いのでサポートは日足と週足と月足の3種類に限定するのが良いです。

売りの場合レジスタンスの種類

レベル2では売り条件を満たしたローソク足のすぐ上にあるレジスタンスの種類について解説します。

売りの場合レジスタンスの種類

レジスタンスの種類は、1分足で形成されるレジスタンスから月足で形成されるレジスタンスまであります。しかし、高確率を狙うトレード方法であればレジスタンスは日足と週足と月足の3種類に限定するのが良いです。

なぜなら、日足未満の時間足で形成されるレジスタンスは日足以上で形成されるレジスタンスに比べて格段にローソク足1本分に詰まっている資金が少なくて信頼性が低いからです。

単純に計算しても1時間足の24倍の資金が日足には詰まっています。1時間足の120倍(24✕5)が週足です。 更に1時間足の約480倍(24✕20)が月足です。

資金の詰まっている時間軸のサポレジほど信頼性が高いのでレジスタンスは日足と週足と月足の3種類に限定するのが良いです。

十字線の使い方レベル3

レベル1では、十字線と十字線の次に出るローソク足との関係性。

レベル2では、更にサポレジとの関係性。

レベル3では、十字線と十字線の次に出るローソク足とサポレジの組み合わせについて解説します。

ローソク足とサポレジの組み合わせについて解説

ローソク足の信頼度

ローソク足の種類は、1分足から月足まであります。時間軸の大きいローソク足ほど信頼性とだましが少なくなる傾向があります。

ですから、高確率を狙うトレード方法であれば採用するローソク足はなるべく時間軸の大きいローソク足を採用することが重要です。

使用するサポレジとローソク足のまとめ

使用するサポレジとローソク足の

使用するサポレジとローソク足の組み合わせによる信頼性を3段階でまとめました。

信頼性の高いローソク足の組合せ

時間軸のより高いサポレジとローソク足の組み合わせの方が信頼性が高いことが分かります。

具体例として、週足のサポート上で出来た15分足の十字線と大陽線の組み合わせより4時間足の十字線と大陽線の組み合わせの方が信頼性は高くなります。

信頼性の高いローソク足の組合せ2

更に他の組み合わせであっても同じです。上図のように同じ週足サポートでも時間軸のより大きいローソク足の組み合わせの方が信頼性は高いです。

FX初心者にお勧めの十字線を使ったトレード方法解説

日足以上のレジサポで十字線が出現

日足以上のレジサポで十字線が出現しただけでは、まだ売りと買いが拮抗している途中なので、上昇するのか下落するのかはわかりません。

十字線だけで相場の転換だと考えエントリーすることはとても危険です。

ではどのようになったときにエントリーするのが良いのでしょうか?

手順を追って説明いたします。

手順1 トレンドが出ている通貨

週足又は日足以上でトレンドが出ている通貨を探します。

アップトレンドの場合にはロング、ダウントレンドの場合にはショートを狙います。

ここでは、アップトレンドを例に解説していきます。

ダウントレンドのケースはアップトレンドの逆で捉えてください。

ダウ理論については、こちらにダウ理論の詳しい説明がございますのでご覧ください。

FXで安定的な「勝ち」を手に入れるために勉強すべき4つのポイント

手順2 サポート付近の通貨

市場価格が日足以上のサポート付近の通貨に絞ります。

市場価格が日足以上のサポートの近くであればそのサポートに反応する確率が高いからです。

手順3 サポートと十字線の組合せ

使用するサポレジとローソク足の

使用するサポレジとローソク足の組み合わせによる信頼性の表から信頼性が中の組合せ以上でサポート+十字線の組合せを探します。

サポート+十字線の組合せ

上図のようなパターンになります。

手順4 大陽線完成

十字線の次に大陽線完成

次に十字線と同じ時間足で十字線の次に大陽線完成を待ちます。

理想形としては、十字線の高値より大陽線終値が高いケースが理想です。

手順5 エントリーの時期

十字線+大陽線が確定した時点

エントリーのタイミングは上図のように、十字線+大陽線が確定した時点でエントリーします。

手順6 STOPの位置

STOPサポートから下側15pipの位

STOPサポートから下側15pipの位置に置きます。

手順7 トレンドライン

10本以上のローソク足形成を待ちます

エントリー後、STOPにヒットしない限りローソク足が形成されていくので10本以上のローソク足形成を待ちます。

その後、トレンドラインを引きます。

手順8 決済の時期

利益確定解説図

利益確定は、トレンドラインを終値で割り込んだら終値確定時に決済します。

実例

ケース1

2018年4月下旬のAUDUSD4時間足チャート

上記チャートは、2018年4月下旬のAUDUSD4時間足チャートです。

先週終値に対して十字線完成後に大陰線が完成しています。この時点で売りエントリーです。

その後、ローソク足10本以上待ってからトレンドラインを引きました。

トレンドラインを陽線終値で抜かれたので利益確定しました。

利益は約50pipのケースでした。

ケース2

2020年2月10日のUSDCADの1時間足チャート

上記チャートは、2020年2月10日のUSDCADの1時間足チャートです。

前年の2019年12月高値レジスタンに対して十字線完成後に大陰線が完成しています。この時点で売りエントリーです。

その後、ローソク足10本以上待ってからトレンドラインを引きました。

トレンドラインを陽線終値で抜かれたので利益確定しました。

利益は約50pipのケースでした。

まとめ

十字線には様々な種類がありますがどの十字線も、相場の転換となる可能性のある大事なローソク足ですので、覚えておくといいでしょう。

特に日足以上のレジサポでの十字線が完成したあとはトレードのチャンスが来る可能性が高いです。

ですが十字線がでたからといって、すぐにエントリーをしかけてはいけません。

手順1から手順7までの指示に従ってエントリーを行ってください。

初心者の方は十字線が出現したあと、どのような形になり相場が転換していくのか、しっかりと検証した上でトレードすることで勝率アップに繋がっていきます。