FX初心者が「1,000通貨未満の少額取引」から利益を生み出す全手順

fx初心者少額

FXでは「レバレッジ」と呼ばれる仕組みを活かすことで、限られたトレード資金で大きな利益を狙える取引が行えることは個人トレーダーにとって非常に優れた特長ですよね。

レバレッジ解説図

しかし、FX初心者はいきなりハイレバ(ハイ・レバレッジ)トレードに手を出すのではなく、超少額からステップを踏んで取引金額のアップに取り組んでいくべきです。

この記事では、

✔なぜFX初心者は超少額から取引を始めるべきなのか?

✔具体的にどうやって超少額での取引からステップアップしていけば良いのか?

について解説していきます。

1.FX初心者が1000通貨未満の超少額で取引するべき3つの理由

多くの初心者が、FX口座を開設し資金を入金した後、自分の感覚に頼って大きなロットでトレードを始めてしまいがちです。

よく「9割のトレーダーは負け組」と言われますが、このパターンでFXを始めると、ほぼ間違いなく、この負け組の仲間になってしまいます。

負け組

負け組の仲間入りをしないために「なぜ初心者は”超”少額でトレードを始めるべきなのか」について解説します。

※筆者のFX初心者(負け組)時代

「FX初心者」というのは、当たり前ですが誰もが必ず最初に通る道ですよね。 相場の世界で30年以上生き延びてきた筆者ももちろん、始めは全くの初心者でした。

筆者が初心者時代に味わった洗礼は、

・買えば下がる、売れば上がる

→後ろから相場に見られていて、自分は相場から狙われているのではないか?

・負け分を取り返すために、さらに取引金額を上げて逆転を狙う

→当然のように負ける

・小さい金額で適当に取引したら、そういう時だけは勝つ

→で、金額を上げるとまた負ける

というようなありさまで、ひどいときには一晩で100万円くらい負けるなど、思い出し切れないくらい負けたものです。

このような苦い経験を経て、トレードの勉強に真剣に取り組んできたことで筆者は勝ち組トレーダーになることができたのです。 この記事を読まれている方が筆者のように相場へ高い授業料を払うはめにならずに、着実に勝ち組トレーダーへと成長していける事を願っています。

理由1 経験がないので勝ち続けられない

プロの世界は、例えばゴルフであればプロテストに合格し、さらにトーナメントの予選を周りのトッププロ選手より良いスコアを出して予選通過しないと、1円たりとも賞金を得る事ができません。

ゴルフ

プロ野球であれば、アマチュア時代に輝かしい結果を残し、スカウトを受けるなど球団から選ばれないとプロ野球選手としての舞台に立つことすらできないなど、本当に厳しいですよね。

野球

一方で、FXはFX業者に申し込んで口座開設をするだけで、プロの世界に参入してお金を稼ぐチャンスを得られます。

しかし、もうお分かりだと思いますが、FXは初心者でも簡単に参入できるからといって簡単にお金を稼げるような世界ではありません。

もちろん、相場は上がるか・下がるかの世界で取引はロング(買い)orショート(売り)のいずれかなので、初心者でも勝てる事はあります。

しかし、FX経験を十分に積んでいない方が資金を長期間にわたって増やし続ける事は不可能です。

FX初心者

従って、FX初心者が相場の世界で生き残りながら、経験を積み重ねていく最も重要なポイントは、「資金を大きく失わないようにする」ということなのです。

「なんだ、そんな当たり前の事を」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、それができずに夢を持って相場の世界に新規参入しながらも、資金の大半を失って退場していく個人トレーダーが、後を絶たないのが現実の姿なのです。

理由2 トレード技術がないので損失が大きくなる

プロスポーツ選手が皆、しっかりとした基礎技術と突出した得意技を持っているのと同様に、厳しい相場の世界で結果を出し続け、生き残っているプロの為替ディーラーなどの勝ち組トレーダーは、例外なく高いトレード技術と自分なりの勝ちパターンを身に付けています。

ですから初心者トレーダーは、トレード技術と勝ちパターンを身に付けるまでの間は、負け組側になってしまうのは、やむを得ないと割り切らなければなりません。

ただし、FXの良いところは「取引金額を自分で決められる」ということです。

トレード経験・技術・勝ちパターンを身に付けるまでは超少額で取引を行うようにすれば、トレード資金の大半を失い、退場しなければならなくなる確率を最小限に抑えられます。

また、プロ野球やプロサッカーなどのように、「監督やコーチから認められないと実戦の機会が与えられない」ということもなく、年末年始や週末を除けば24時間毎日いつでもプロの世界で実戦経験を積むこともできるのです。

理由3 人は取引金額が大きくなるほど負けやすい行動をとってしまう

「プロスペクト理論」についてご存知でしょうか?

この理論をトレードの観点で簡単に書くと、

・人は、含み益は早く決済して利益を確定させたいという行動をとりがち

・人は、含み損はできるだけ確定を先送りさせたいという行動(塩漬け)をとりがち

となり、多くの人は、結果的にいわゆる「損小利大」とは正反対の典型的な負け組トレードを行いがちなのです。

しかも、この傾向は取引金額が大きくなればなるほど強くなります。

・「デモトレードでは勝っていたのに、リアルトレードになったら何故かとたんに勝てなくなった」

・「少額トレードでは勝てていたのに、取引金額を大きくしたらなぜか勝てなくなった」

このような事態に陥ってしまうのです。

2.少額で取引しながらトレード技術も身に付く方法3ステップ

1章では「FX初心者が超少額から取引を行うべき理由」について解説しましたが、2章では「どのようにステップアップしていけば良いのか?」について解説していきます。

■3段階でステップアップしていく狙いは?

本記事で「3段階でステップアップ」していこうとしている事には、大きな意味があります。

FX初心者が1,000通貨未満の超少額で取引するべき3つの理由」で紹介した内容を違う切り口で説明すると、

・トレードの目的を”お金を増やす”に置くと、人は負けやすい行動をとってしまい、負けるべくして負けるトレードを繰り返してしまうということなのです。

ではどうすれば良いのかと言うと、

・トレードの目的をお金に置かず”一貫性と優位性のある、自分にとって良いトレードを行う”事に置くことです。

※良いトレードを強く意識して行動を続ければ、結果的にお金は増えます。”お金”を基準にするのか”トレード”を基準にするのか、あまり違いはないように思われるかもしれませんが、この違いは大きいです!

トレードの基本

目的を”お金を増やす”に置かず”良いトレードを行う”に置くと、トレード時のロット数は重要ではなく、最小限の授業料で何度も実戦経験を積んで”自分の勝ちパターン(自分にとっての”良いトレード”)を身に付ける”事に注力できるようになります。これがSTEP2です。

では「STEP2を乗り換えられれば、大きなロットでも結果を出していけるのか?」というとそうでもなく、ロットが大きくなると障壁になってくるのが「プロスペクト理論」なのです。

この壁を乗り越えるには、ロット数を徐々に上げながら、それまでの一貫性のあるトレードを躊躇なく継続していける経験を積むことがポイントになります。これがSTEP3です。

繰り返しになりますが、相場は勝ち組トレーダーやプロのディーラーがひしめく厳しい世界で、多くの商材が謳う「初心者でもスグに、カンタンに稼げる」ようなものではありません。

ただし、(常に売り買いを行っている)ディーラーとは違う私達一般トレーダーのある意味”特権”は、「チャンスがなければトレードしなければ良い、良いチャンスだけに絞ってトレードすれば良い」という点です。

将来にわたって経済的な不安を解消できるスキルを身に付けるために、資金を守りながら時間をかけてしっかり学んでいきましょう!

■STEP1(基本操作を覚える)

①超少額での取引に対応したFX業者を選ぶ

日本の金融庁に認可されていて信頼できるFX業者はたくさんありますが、ほとんどの業者の最小取引単位は1,000通貨か1万通貨です。

米ドル円でトレードを行い1円分逆行されて損切りする際の損失が、1,000通貨の場合はマイナス1,000円、1万通貨の場合はマイナス1万円となります。これだとトレード技術を身に付けていくための授業料としては高く感じますよね。

授業料

ですから金融庁に認可されていて、かつ最小取引単位が小さいFX業者を選ぶようにしましょう。

本記事では「SBI FXトレード」をおすすめします。口座開設は、ホームページの「口座開設」から行います。https://www.sbifxt.co.jp/

なお、口座開設にあたってはマイナンバーおよび免許証などの身分証明書が必要になりますので、あらかじめ用意しておけばスムーズに手続きを進められます。

口座開設の次は、取引ツールをパソコンにインストールしましょう。

SBI FXトレードでは、「インストール不要で手軽に使えるWeb版」と「インストールは必要なものの使いやすさや機能が充実しているリッチクライアント版」が用意されているのですが、本記事では「リッチクライアント版」を使用して解説していきます。

ダウンロードは公式ホームページから

https://www.sbifxt.co.jp/advantage/rich_next_introduction.html

②1通貨取引で操作方法・注文方法を覚える

まずは1通貨からスタートし、操作方法をしっかり覚えてから次のステップに移るようにします。

公式ホームページ内では操作マニュアルPDFも用意されていますので、実際に取引操作を行ってみましょう。

③ツールの使い方が理解でき、注文を間違えずできるようになったらSTEP2へ

下のチェックポイント一覧を参考に、一通りの取引が間違えずにできるかを確認し、全て問題なければSTEP2に進みましょう。

チェックポイント

□ 通貨ペアを間違えずに注文できているか?

□ ロング(買い)/ショート(売り)両方とも、間違えずに注文できているか?

□ ロット数(通貨数)を間違えずに注文できているか?

□ 決済を間違えずにできているか?

□ 成行注文、指値注文を間違えずにできているか?

■STEP2(10通貨取引)

トレード操作については理解しても、銀行やヘッジファンドなどのプロディーラーが戦っている相場に、準備もなくいきなり挑んでも勝ち続けられるはずはありません。

初心者時代の筆者のように、ひたすらトレード資金を失うだけの結果に終わってしまいます。

このSTEPでは、トレード技術の基礎を学びながら、トレーダーとしてのスキルをアップしていくための手順について解説していきます。

①テクニカル分析を学習する

分析手法は無数にあり、トレーダーによって使う手法も無数に分かれます。手法には唯一の正解というものは存在しません。

しかし、多くのトレーダーは「正解」を求めて手法探しから抜け出せず、迷宮入りしたまま負け組として相場の世界をあきらめて去っていってしまいます。

初心者はもちろんですが、勝てないトレーダーへ筆者からアドバイスをするなら「あれもこれもと手を出さず、環境認識をまず最初に習いその後、ひとつの手法に注力してしっかり自分のものにしていく事に集中することが、勝てるようになる為の一番の近道!」です。

本記事では、FX初心者でも分かりやすく、非常に多くのトレーダーから意識されている「移動平均線(MA)」とチャートパターンを使ったテクニカル分析手法をご紹介していきたいと思います。

1 移動平均線とは?

移動平均線とは、指定した期間の為替レートの平均を計算してチャート上に曲線を表示したもので、MA(Moving Averageの略)とも呼ばれます(本記事では、以降はMAで表記します)。例えば日足の20MAであれば、過去20日間の平均価格の推移が曲線でチャート上に表示されます。

移動平均線

(赤色MAは20EMA、黄土色MAは50MA、緑色MAは100MA)

トレーダーはMAをどう活用しているのか?ですが、

・移動平均線の傾きでトレンドの向き(上/横/下)判断の参考にする

・現在のチャートが移動平均線より上にいるのか下にいるのかで買い/売りのどちらの勢力が強そうか判断の参考にする

・現在のチャートが移動平均線で反発したり突き抜けたりする動きを見て新規注文や決済注文の判断の参考にする

このような分析に活用しています。

2 本記事でのMA設定

MAはトレーダーによって設定が異なります(これも唯一の正解というものは存在しません)。

筆者は今も、リアルトレードでは「20EMA」「50MA」「100MA」の3本のMAを使用していますので、本記事では「Rich Client NEXT」で、この3つのMAの設定方法を説明します。

下の画像を見ながら、順番に設定を行ってください。

チャートの選択 テクニカルの設定

 

移動平均線の設定 色の変更 インジケータ スタイル設定 最後の画像のように、赤/黄/緑の3本のラインがチャート上に表示されていれば設定完了です。

最後の画像のように、赤/黄/緑の3本のラインがチャート上に表示されていれば設定完了です。

3 チャートパターンとは

チャートパターンとは、買い方と売り方の攻防が結果となってチャートに現れる形で、こちらも非常に多くのトレーダーに意識されます。 チャートパターンはいくつかありますが、本記事では「ダブルトップ(ダブルボトム)」と「ヘッドアンドショルダー(逆ヘッドアンドショルダー)」を紹介します。

厳選7種のチャートパターンを活用したFXのエントリー方法【事例付き】の記事では更に詳しく他のチャートパターンも記載してあるので是非、読んでみてください。

ダブルトップ/ダブルボトム

ダブルトップ、ダブルボトム

ダブルトップの場合、上昇が続いていた相場が売り方の反撃で一時的に止められ、再度上昇を試みたものの、やはり売り方の反撃に負けた時にできる形です。

この形ができた際には、ネックラインと呼ばれる折り返し点が勝負の分かれ目になることが多く、ここを下に抜けると買い方は諦めて損切り、売り方はチャンスと判断して新規参入してくることからそのまま大きく動くことが良く見られます。

※ダブルボトムはダブルトップと正反対の動きになります。

ヘッドアンドショルダー/逆ヘッドアンドショルダー

左右に小さい山(両肩)・真ん中に高い山(頭)に見えるチャートパターンです。

ヘッドアンドショルダー、逆ヘッドアンドショルダー

ダブルトップ/ダブルボトムとの大きな違いは右側の山(谷)です。右側の山(谷)が意味することは「トレンドを継続させる事ができなかった上に、トレンドを継続させる力が衰えている事がチャートに出てしまった」ことです。

ですから、ネックラインを抜かれてしまうと、諦めて損切りをする買い方(逆ヘッドアンドショルダーの場合は売り方)が出てきたり、チャンスと見て新たに売り方(逆ヘッドアンドショルダーの場合は買い方)が参入してくるなど、大きく動くことがあります。

ヘッドアンドショルダーのイラスト

4 エントリー方法

今回紹介した2つの分析手法(MAとチャートパターン)を使った、具体的なエントリー方法を紹介します。

チャート

基本的には長期時間軸のチャート(日足や週足など)ほどダマシに遭いにくくなりますが、エントリーチャンスは少なくなります。

逆に短期足(1分足、5分足、15分足など)だと頻繁にチャンスが訪れますがダマシに遭う確率も高くなってきます。

そこで成功率とチャンス頻度のバランスを考え、本記事ではまず「4時間足」でのトレードをおすすめします。

※もし、エントリー機会が全く無いと思われる場合は、1時間足でトレードを行うようにしましょう(ただし、トレードの成功率は4時間足より低くなりやすいです)。

エントリーチャンスを探す

チャートから、先ほど紹介したチャートパターンを探しましょう。

※チャンスを見つけるためには、「ずっとパソコン画面の前に張り付いてチャートを追いかけ続けていなければならない」と思われる方もいるかもしれませんが、チャートの前に張り付く必要はありません!例えば4時間足であれば、1本のローソク足が確定するのは4時間おきなので、1日に数回チェックするだけで十分です。

次のチャート画像ですが、ダブルトップを形成してネックラインを抜けるか・再度上昇するかのポイントに来ている事はおわかりになりますか?

チャート画像1

一方で、Bの方向に進んだ場合は買い方にとっては非常に分が悪い状況になり、買いポジションを損切りする人や売りで新規参入してくる人が出てくる可能性が出てきます。この先ですが、Aの方向に反発上昇した場合は売り方・買い方の攻防の決着が付いていない可能性があり、横ばいに推移するか上昇継続するかは分からなくなります。

もちろん、Bに進んだからといって必ず下落する保証はなく、ダマシになって再度上昇する可能性もありますが、重要なのは「Bの方向に進むということは、売り方にとって優位性が高い状況になった」ということです。

その後の経緯は大きく下に伸びました!

エントリーポイント図

このダブルトップでのエントリーポイントはトレーダーによって違うこともありますが、本記事では「A:ダブルトップのネックラインをブレイクしたローソク足が確定した時」をお勧めします。

※このチャートを見ていて気づきましたか?ラインを引いたダブルトップのネックラインを挟んで左側は赤色のMAの上で山を描いていて、右側からはMAの下で山を描いています。また、エントリーしたポイントはMAを上から下に抜いたところになっています。MAとローソク足の位置関係(ローソク足が上ならロング目線、下ならショート目線)もひとつの判断材料とすることができます。

次の事例ですが、ヘッドアンドショルダーができるかできないか、という状況に来ていることは分かりますでしょうか?

チャート画像2

Aの方向に行けばブレイク成功・売り方優位の局面になりそうなので、ショートを狙いたい場面になります。一方でB・Cに進んだ場合、いったんは買い勢力が跳ね返した形になりますが、これだけでは買い方売り方どちらが優勢なのかは判断できないのでエントリーは見送ります。

こちらも、最初の事例と同様、ブレイクのローソク足確定でエントリー。

エントリーポイント

5 トレード記録を付け、振り返る

トレードを行う際には必ず記録していくようにします。

パソコンを使ってEXCELなどの表計算ソフトで入力していくのも良いですし、ノートを買って手書きで入力していくのもOKです(後からトレード結果の集計を行うを考えると表計算ソフトを使う方が便利です)。

記録すべきポイント

・注文日時

・通貨ペア

・ロング/ショート

・なぜそこで注文したのかの理由の記載

・なぜそこで利益確定/損切りしたのかの理由の記載

・利益確定pipsと金額、もしくは損切りpipsと金額

トレードを始めて一カ月ほどたったら、結果を集計してみましょう。

・勝率(何勝何敗)

・トータル損益(pip)

損益マイナスであれば今後改善するために、損益プラスであっても翌月さらにプラスを増やしていけるよう、分析を行い振り返りましょう。

振り返りのポイント

・買ったトレード/負けたトレードとも、チャートをさかのぼって見直してみましょう。

ダブルトップやヘッドアンドショルダーといったチャートパターンは綺麗に出ていますか? チャートパターンが出ていないかったのにトレードしている場面があれば、今後はできるだけ繰り返さないようにします。

なお、チャートパターンが出ていても損切りに終わるケースはあります。チャートパターンが出たからといって全てのトレードで勝てるわけではありません。

振り返りで最も重要なのは、「トレードルールにのっとって行うべきトレードができたかどうか」です。

・「なぜそこで注文したのか」に書かれている事が、エントリールールにのっとったものになっていますか?目標は、すべてこのような内容になることです。

逆に「大きく相場が動いたから」や「今エントリーすれば勝てそうな気がした」など、エントリールールと合致しない理由が書かれているトレードがあった場合は、反省し改善しなければなりません。

・「なぜそこで利益確定/損切りしたのか」に書かれていることが、「チャートを見ていたら大きく動いたので、怖くて損切りした/利益を確定させたくなって決済した」となっていませんか?

感情でトレードしていたら中長期的に勝てるようにはなれません。

人の感情は「利益は少しでも早く確定したい」「損失の確定は先延ばしにしたい」に行動を仕向けようとする傾向があり、”コツコツドカン”と呼ばれる負け組トレードの典型的なパターンにおちいってしまいます

エントリーする前に「どこまで逆行したら損切りするか」「どこまで伸びたら利益確定するか」を決めておき、損切り/利益確定を問わず、事前に決めたとおりの決済が常に行えるように改善していきましょう。

6 6か月連続で毎月50pips以上の利益が出せたらSTEP3へ

同じ手法を半年間以上継続して取り組んでいると、トレードスキルはかなり上がってきます。

具体的には、

・チャンスを見つけることにかなり慣れてくる

最初は、「後から見たら綺麗なチャートパターンが出ていた」という見落としはいくつも出てくると思いますが、狙いたいパターンの意識を明確に持ってチャートに向かい続けていると、徐々に「ダブルトップになりそう」「ここで反転するとヘッドアンドショルダーが形成されそう」などチャートの動きがイメージできるようになってきます。

・ルールを守った、再現性のあるトレードができるようになってくる

ルールを守らない感覚的なトレードは、市場の罠にかかりやすく優位性も無いことが分かってきます。

トレードの内容や結果を振り返り改善を続けていると、結果的にルールを守った再現性のあるトレードに絞り込めるようになってきます。

・損切りに対するストレスが小さくなってくる

ルールを守ったトレードを続けていると、「優位性のある場面でも損切りになる(必ず勝てるわけではない)」「それでも一貫性のあるトレードを続けていれば結果的に資金は増えていく」ということが理解できるようになり、そうなるとチャンスの場面でのトレードが損切りに終わっても、「こういうことはよくある」と一回一回のトレードに一喜一憂しなくなってきます。

目安としては、6か月連続で50pips以上の利益を出し続けられるようになったらSTEP3に進んでいきましょう。

■STEP3(100通貨取引)

STEP3ではロット数を10から100に上げますが、それ以外は何も変えず今までどおりルールを守ったトレードを行い、振り返りと改善も継続していきましょう。

STEP3でのポイント

STEP3でのポイントは、今までよりロット数が大きくなったことで、「エントリーを躊躇してしまった」「事前に決めていた利益確定ポイントに来る前に決済してしまった」「事前に決めていた損切りポイントに来ても損切りしなかった」といった、今までと違う行動を行ってしまっていないかを確認します。

事前に決めたルールを守れない事は、負け組への逆戻りの始まりです。

決めたルールと違う行動をして失敗すると、「何で守らなかったんだ?」という後悔や自己嫌悪で、せっかくここまで積み上げてきた自分に対する自信を、少しづつ確実に減らす事につながります。

また、たまたま上手くいった場合も深刻です。「ルールを破って上手くいった」という結果が自分の中に刷り込まれて、決めたことを守れない」という悪循環からどんどん抜け出せなくなってしまい、結局は負け組への逆戻りに繋がってしまうのです。

ルールを守れない、守るのがキツイと感じた場合の対処策

ロット数を10通貨に戻しましょう。

10通貨トレードをしばらく続け、振り返りとトレードルールの改善を行いながら「一貫性のあるエントリー/利益確定/損切り」が自信をもってできるようになったら、再び100通貨に上げてしばらく様子を見てみましょう。

会社勤めと似ている部分はあるかもしれませんね。一般社員がいきなり「社長をやれ」と任されてもかなり難しいですよね。

経験を積みながらステップアップしていくのが一般的だと思います。

一方で、トレードの良いところは、「まだ難しい」と感じたらステップダウンできるし、自信が戻ればまたステップアップできるし、その判断を自分で自由に行える事です。

トレードをイチかバチかのギャンブルではなく、将来に向けたビジネスとして取り組んでいくのであれば、急ぎすぎて無理をせず、しっかりステップアップしていく事を心がけて取り組んでいきましょう!

6か月連続で50pipsの利益が出せたら1,000通貨に移行

10通貨で結果が出て(トレードルールを守れる)、100通貨でも結果が出ていれば(トレードルールを守れている)1,000通貨に移行しましょう。

ポイントは10→100通貨への移行と全く同じです。100通貨でのトレードが卒業できていれば、壁に当たった時の対処法もしっかり理解できていると思います。

「プロスペクト理論」の壁は、ロット数が大きくなるほど高くなります(だから、トレード手法が確立できたからといって、皆がすぐに億トレーダーになれるわけではないのです)。

でも、壁がどんどん高くなっていっても、ここまでステップアップとステップダウンを繰り返して積み重ねてきた成功体験が、その壁を乗り越えるために役立ってくれます。

ロット数はどのくらいまで上げても良いのか?

これは人によって異なりますので一概には言えないのですが、本記事ではロット数の上限目安を2つ紹介します。

トレード資金の0.5%~3%

例えばトレード資金が10万円とすると、1%の場合は1回のトレードでの損切り許容額を1,000円に決めます(毎トレード、損切金額が1,000円になるようにロットを設定します)。

そうすると、もし50連敗したとしても単純計算でトレード資金はー5万円、つまりまだ資金の半分は残ることになります。これなら多少連敗しても焦りは出にくいですよね。

トレードを継続してトレード資金が増えてくれば、それに応じてロット数も増やせるので、複利的な効果も活かすことができます。

ストレスが高くならない範囲

これは個人差が大きいので具体的な数字は書けませんが、いくらステップを踏んでロット数を増やしていっても精神的な限界には当たってしまいます。

ステップダウン→ステップアップを何度か繰り返しても乗り越えるのが難しいと感じたら、そこを自分のロット数の上限として決めるのも良い考えです。

ストレスに負けてルールを守れなかったり、ポジションが気になってチャートから目が離せなくなったり(四六時中凝視していても相場の動きは自分では変えられないです)、眠れなくなってしまってはトレードを長く続けていく事ができません。

一攫千金を狙わず、着実にいきましょう。

3.まとめ

長い記事になってしまいましたが、いかがだったでしょうか?

初心者の方にとっては、いきなり全てを理解するのは難しいかもしれません。

しかし、この記事には勝ち組トレーダーになるための重要な多くのポイントが盛り込まれています。

具体的には、FX初心者が1000通貨未満の超少額で取引するべき3つの理由を理解すること。

その後、STEP1からSTEP3までステップアップしていくことです。

3ステップ

ぜひ、この手順で始めてみましょう。