FXの建値とは?お金が減らない建値決済を使いこなそう

FXの建値とは?お金が減らない建値決済を使いこなそう

こんにちは、FXBです。

あなたは建値(たてね)という言葉をご存じでしょうか?

建値とは本来、為替のレート(通貨の価格)が今いくらなのかを表す言葉です。

しかし、FXで建値という言葉は、トレードを開始したときの通貨の価格のことを指すことにも使われています。

この建値で決済(けっさい・トレードを終わらせる)するように予約しておくことを、建値決済・もしくは建値撤退と呼びます。

建値で決済する予約を入れることで、損失を未然に防げたり、利益を得る手助けにすることができます。

FXでは一度出た利益が消えてしまい、逆に損失が出始めることがあります。

稼いでいたはずなのに損をしてしまうと、お金が減っていくことにドキドキしてしまい、精神的にかなり苦しい状態になりがちです。

ですが、建値決済を利用したトレードでは、建値になると損をするまえに自動的にトレードが決済されるので、メンタルの負荷をかなり下げることができます。

FX初心者が建値決済を利用すると、損とメンタルの負荷を簡単に防ぐことができます。

ぜひ、この記事で建値決済を理解して、あなたのFXに取り入れてくださいね。

建値で決済を予約しておく建値決済

建値注文とは

トレードを開始して含み益(トレード中に出ている利益)が発生したときに、建値(トレード開始時の価格)で決済するように予約するのが建値決済です。

建値決済を行うことで、含み益がなくなった時点で自動的に決済が行われます。

ですので、含み損(トレード中に出ている損失)を抱えることはありません。

もっと簡単に言ってしまえば、一度利益が発生したあとに建値注文をすれば、損をする可能性をほぼゼロにすることができます。(一瞬で強烈に値が動いた場合はゼロにできない可能性があります)

建値決済はお金を減らす心配を少なくする、とても便利な方法になっています。

建値決済のやり方

FX会社によって操作方法などは変わってきますが、基本はどこの会社でも同じです。

(トレードを開始して、含み益を持っている状態からスタートになります。)

1.FXの注文画面を開き「決済」の方法が選択できるようにします。

GMOクリック証券注文画面

(画像はGMOクリック証券。赤い枠内をクリックすると、決済注文を予約できる)

2.「逆指値(ぎゃくさしね)注文」を表示します。

3.建値の価格で決済するように注文を予約する。

GMOクリック証券注文画面2

(画像はGMOクリック証券。紫枠をクリックして、逆指値に設定したら、青枠内の数字を同じレートにして注文を予約する)

逆指値注文とは、利益が出ている状態から、利益が減ってしまう方向へレートが変化したときに、指定した価格で決済してくれる注文方法です。

たとえば、今100円の利益がでている状態で、逆指値で建値の価格に決済の予約注文をします。すると、次のように決済が行われます。

建値注文をしている場合

1.100円の利益がある状態

2.利益が減り、レートと建値が同じ価格になる

3.自動的に±0円で決済がおこなわれる。

建値決済のメリット

建値決済には、次の3つのメリットがあります。

メリット①:利益 or ±0にできる

メリット②:精神的な余裕が得られる

メリット③:時間が自由になる

これらのメリットはFX初心者にとって、大きな損失を未然に防ぐことにつながります。

では、それぞれ具体的に解説していきます。

メリット①:利益 or ±0にできる

建値注文を行うことで、一度利益がでたあとはもう損をする可能性がなくなります。

つまり、トレードを行ってから一度でも利益を出せば、そのトレードでは負けがなくなるということです。

建値注文なら負けなし

さらに、利益が伸びた場合には、逆指値注文の価格を建値よりも利益を含んだ価格に移動させることもできます。

たとえば、利益が100円出たときに建値注文を行ったあと、逆指値注文の価格を変える場合は次のようになります。

0建値注文から利益を伸ばす

1.100円の利益がある状態

2.建値決済を予約注文する

3.利益が200円まで伸びる

4.逆指値注文の価格を利益が100円のレートに変更する

逆指値注文の価格を100円に上げることで、100円の利益を確定させることができます。

ある程度利益が伸びたら、もういちど逆指値注文の価格をあげることで、不利なレートになっても利益を守ることができます。

最初に建値注文を行い、負けをなくすことで、ゆっくりと利益が伸びていくのを待てるのが強みです。

メリット②:精神的な余裕が得られる

FXでは一度利益が生まれても、レートが不利な方向へ動けば損をしてしまうことがあります。

そんなときは次のような気持ちになってしまいがちです。

「一度利益がでたのに……」

「損する前に決済しておけばよかった……」

「まだ価格が(望んだ方向へ)戻るかも……」

そのような後悔をしたり、悔しい気持ちになってしまうと、ついつい損を取り戻そうと熱くなってしまい、正常な判断をすることが難しくなりがちです。

しかし、建値注文をすると、次のような気持ちでトレードをすることができます。

「たとえレートが下がっても±0で決済だから、ゆっくりレートが上がるのを見守ろう」

「負けることはないから、次のチャンスを探す準備をしておこう」

「今回のトレードが上手くいっている理由を検証してみよう」

「負ける・損することがない」というのは、FXにおいて心理的にかなり楽な状態です。

もし、利益がなくなってしまっても、損失を出した負けと、損失を出していない負けでは、気持ちの余裕に圧倒的な差があります。

もし、自分の貯金からFX資金を出して、1万円の利益があった状態からはじめて、結果的に1万円負けたのと、±0円で終わったのでは、どちらの方が落ち着いて次のトレードに挑めるでしょうか?

建値注文で心の余裕を作ることは、一回のトレードで損をださないという効果だけでなく、
次のトレードに冷静に挑めることにも繋がってきます。

メリット③:時間が自由になる

仕事や家事で忙しく、隙間時間にしかFXが出来ない人でも、建値注文なら損をしないので安心してFXをすることができます。

建値注文を使ったトレードなら、一度利益が生まれてしまえば、あとはパソコンやスマホの前から離れることができるのが利点です。

仕事や買い物、おでかけなどから帰ってきて、利益が生まれているか、±0で自動的に決済されたかを確認するだけです。

損をしないかハラハラしながら、FXの画面をずっと見続けている必要がないので、時間を有効活用することのが大きなメリットになります。

 

建値決済のデメリット

負けをなくし、時間的にも精神的にもゆとりが持てる、とても便利な建値決済ですが、残念ながらデメリットも存在しています。

それは次のようなデメリットになります。

デメリット①:利益を見逃してしまう

デメリット②:トレード数が増える

それぞれ、具体的に解説していきます。

デメリット①:利益を見逃してしまう

建値決済を入れると、画面をずっと見ていなくても損をしないので大丈夫なことがメリットとお伝えしました。

しかし、次の画像のように、目を離している間に利益が大きくなり、そのあとで価格が建値に戻ってくることがあります。

05利益を見逃す可能性がある

得られるはずだった利益を、画面から目を離したことで得られなくなってしまうことがあるのが、建値決済のデメリットです。

しかし、FXには指定した利益額になると自動で決済してくれる「指値注文」というものがあります。

指値注文は建値注文と同時に注文することもできます。

たとえば、次のように注文をすることで、利益を確保しつつ、損を防ぐことも可能です。

06指値注文でデメリットをカバー

1.100円の利益がある状態

2.「逆指値注文」を建値の価格に入れる

3.「指値注文」を利益が200円になる価格に入れる

4.価格が建値まで戻れば±0で決済。利益が200円まで上がれば利確(決済して利益を確定すること)

指値注文をつかうことで、利益を逃してしまうデメリットを回避することができます。

 

デメリット②:トレード数が増える

建値決済を利用すると、損失を出さずに±0で決済することが多くなります。

損失がないということは資金が減らないということです。そのため、すぐに次のトレードに移ることができます。

一見メリットのように感じられるかもしれませんが、トレード数が増えるということは、建値注文を入れられずに負ける可能性も増えるということです。

建値注文はあくまでも「一度利益が生まれたら、建値で決済予約することで損をしなくなる方法」です。

つまり、トレード開始からずっと含み損の状態では、損を覚悟で決済する「損切」をしなくてはいけません。

毎回からなずトレード開始直後から含み益を確保できれば、すぐに建値注文へ移れますが、現実的には厳しいでしょう。

つまり、トレード回数が増えることは、損切の回数が増えることにも繋がってきます。

なので、トレード回数をむやみに増やしてしまいがちなのが建値決済のデメリットになります。

建値決済があるからと、すぐにトレードをするのではなく、勝てる可能性が高いシーンでのみトレードするように注意しましょう。

 

建値決済が便利なシーン

建値決済にはメリットとデメリットがありますが、次のようなシーンでメリットを有効に使え、とても助かることがあります。

それでは、建値決済が便利なシーンはどのようなときか見ていきましょう。

1.突然の予定が入った場合

緊急の仕事が入ってしまった、車で迎えに行かなくてはいけない、子供がぐずってしまったなど、どうしてもFXの画面から目を離さなければいけないシーンは、誰にでもあると思います。

建値注文が入っていれば、FXのことを一旦おいて、目の前の予定をこなすことができます。

ですが、建値注文がなかったら「負けていたらどうしよう」と考えてしまうかもしれません。

突然の予定が入っても、±0で決済をしてくれる建値注文さえあれば、安心して画面から目を離すことができます。

2.夜遅くに利益が出始めた場合

FXは平日は24時間いつでもおこなえるため、寝ようと思っている状態でも利益が出始める場合があります。

寝ずにレートの動きを追って利益を狙うこともできますが、現実的ではないでしょう。

そんなときも建値注文を入れておけば、眠っている最中に損をしてしまうことはありません。

夜遅くに利益が出始めた場合にも、建値注文をつかえばFX画面から離れることができます。

 

まとめ

トレードを開始して、利益がでた後に損をしないように決済するように注文をすることが「建値注文」です。

建値注文は「建値注文」という注文方法があるわけではなく「逆指値注文」という注文方法で建値=トレードを開始した価格で決済するように注文を入れることになります。

建値注文を行うことで、レートが有利(利益がでる)な状態から、不利な(損をする)状態へ変わり、利益がなくなった段階で自動的に決済を行ってくれます。

建値注文のメリットは「負けない(損をしない)」こと「時間や精神的に余裕が持てる」ことです。

しかしデメリットとして「負けないけれど利益もない」「トレード回数が増えがち」というものがあります。

しかし、デメリットがあっても、建値決済をつかうと便利なシーンは多いです。

たとえば、急な外出や用事ができた場合や、眠ろうとしたときに利益が出始めた場合には、建値注文をしておくことで、安心してFXから離れて用事をこなしたり、眠ったりすることができます。

FXに絶対はないので、建値注文さえしていれば必ず良い結果になるということはありません。

しかし、必要に応じて建値注文を使いこなすことで、無駄な損失を防ぎ、安心して利益が伸びるのを待ったり、FXの画面から目を話すことができます。

建値注文は万能ではありませんが、とても便利なFXの手法の一つです。

ぜひ、つかいこなせるようになってくださいね。