厳選7種のチャートパターンを活用したFXのエントリー方法【事例付き】

fxチャートパターン

FXをやっている人ならチャートパターンは、一度は見たり聞いたりしたことがあると思います。そんな誰でも知っているチャートパターンだからこそ相場ではすごく価値があるんです。ここでは数あるチャートパターンの中から特に厳選したものを紹介しています。そしてなぜチャートパターンができるのか、そのメカニズムを解説しています。またチャートパターンを使ったエントリー方法も参考例として紹介していますので、是非自分のものにして下さい。

1.チャートパターンの種類<これだけは押さえておきたいチャートパターン>

一口にチャートパターンと言っても、その数はたくさんあります。細かい違いなども含めると数十種類はあります。ただ、それらを全て頭に入れたらトレードで勝てるのかと言ったら、そうでもありません。知らないよりは知っている方がいいのですが、全てを細かく知る必要はなく、最低限これだけは知っておきたいというものだけで十分です。ここでは代表的で広く認知されており、かつ初心者でもチャート上で認識しやすい(見つけやすい)ものに厳選して紹介していきます。誰もが知っていて、誰でも見つけられると言うことは、それだけパターンとして機能しやすいと言うことになります。

1-1.ダブルトップ・ダブルボトム

ダブルトップ、ダブルボトム

ダブルトップは二度高値を試した後、結局越えられずに下降してネックラインを切ってできたものです。反対にダブルボトムは二度安値を試した後、結局下降できずに上昇してネックラインを超えてできたものになります。どちらも反転系のパターンになります。一度価格が下げ止まった(または上げ止まった)部分をネックラインと言い、このラインを超えたらパターン完成という考え方をします。ダブルトップ・ダブルボトムは数あるチャートパターンの中でも特に良く知られているものですが、意外と知られていないのが、このネックラインを切るまでは、パターン完成ではないと言う点です。

ダブルトップ、ダブルボトムのチャート

実際のチャートだとこのような認識になりますが、あくまで参考例ですので人によって違っても問題ありません。むしろ山の高さや、谷の深さがバラバラだったり、ネックライン候補がいくつかあったりとイビツなパターン形成の方が多いからです。ポイントは、二つの山(または谷)とネックラインが自分の中で認識できることです。そしてネックラインを切った時にパターン完成となります。従ってネックラインを切るまでは、パターンを形成するかも知れないという予測の段階と言えます。

ラインブレイクの判断方法

ネックラインを切ったかどうかはローソク足の終値確定で判断します。ヒゲでは切っていないと判断します。

1-2.ヘッドアンドショルダー、逆ヘッドアンドショルダー

ダブルトップ、ダブルボトム

文字通り、人の頭と肩からイメージした形でこちらも反転系のパターンになります。日本では、三尊(さんぞん)、逆三尊とも言います。3つの山(または谷)のうち、真ん中が少し大きいのが特徴です。肩と頭の境目の、価格が折り返した部分がネックラインになり、このラインを超えたらパターン完成です。ネックラインは候補が2つありますが、より深い位置で折り返している方を選びます。真ん中の山が左右の山と同じくらいならトリプルトップ(またはトリプルボトム)になります。

ヘッドアンドショルダー、逆ヘッドアンドショルダーのチャート

実際のチャートだとこのような認識になります。ポイントは、漢字の「山」のような形とネックラインが認識できることです。ネックラインは2点を結んで引くやり方もありますが、ここではより深い位置で切り返した所から水平線を引くやり方を推奨します。なぜならラインは斜めに引いたものより水平に引いたものの方が信頼度が高いからです。

1-3.ボックス圏、ペナント

ボックス圏、ペナント

方向感がなく相場がもみ合っている時に形成するパターンになります。ボックス圏は横ばいでもみ合っているのに対し、ペナントは高値と安値の距離が段々と縮まって来ているのが特徴です。どちらも枠を超えた時、価格が一気に動き出す傾向があります。従って、パターンをブレイクした時に、ブレイク方向についていくと言うのがセオリーになります。これらはネックラインがないので、パターン完成の決まりもありません。

ボックス圏、ペナントのチャート

実際のチャートだとこのような認識になります。ポイントは、外側の高値安値をおおまかに線で結ぶことです。もし他のパターンに見えるなら、そちらで認識しても問題ありません。これらはパターンをブレイクした時がエントリータイミングとしての目安になります。相場がもみ合っていると言う事は、それだけエネルギーを溜めていると言う見方もでき、相場が一気に動く前兆として考える事ができます。どちらももみ合っている点は共通していますが、ペナントは斜めにラインを引いていくのに対し、ボックス圏は水平に引いていくので、ボックス圏の方がより信頼度は高めになります。

1-4.N字

N字解説3

波形がアルファベットの「N」の字に見える事からN字と呼びます。それぞれ高値安値を更新したらパターン完成になります。チャートの波形自体がN字の連続であることから、主に次の2つのケースに絞って考えていきます。

N字の種類

まず1つ目はラインに対してのサポレジ転換をした時のN字です。ラインをブレイクした事実を根拠にしたケースです。2つ目は前回高値ラインに対してのサポレジ転換をしたN字です。特にトレンドが出ている時によく出現します。これらは上昇時の例ですが、下降時も考え方は全く同じです。

N字解説4

実際のチャートだとこのような認識になります。ポイントは、それぞれ高値安値を更新しているかどうかになります。いわゆる「戻し」が入っているのがN字の特徴です。他のチャートパターンに比べてシンプルなので分かりやすいかと思います。

以上が最低限の抑えておきたいチャートパターンですが、これらのパターンには大きさや形に細かい決まりはないので、ある意味自由に認識する事ができます。なのでそれぞれのパターンの特徴が最も出ていると思うものを選択することをおすすめします。チャートパターンは相場がこれからある特定の値動きをする時のシグナル(合図)として形成する事が多いので、パターン認識が慣れてくると、近い将来の値動きが自然とイメージできるようになります。

2.チャートパターンの意味

ここまでチャートパターンの説明を聞けば、「なるほど」、「確かに」と理解するのにそれほど時間はかからないかも知れません。または「これくらいは常識でしょ」と思われる人もいるでしょう。しかしチャートパターンが分かっていても、その意味までもしっかりと理解している人は少ないのではないでしょうか。

2-1.なぜチャートパターンが形成されるのか

そもそもなぜチャートパターンは形成されるのでしょうか?実はちゃんとした理由があるのです。これは相場の本質にも通じる部分です。

相場には「売り方」と「買い方」がありますが、どちらも新規で注文をすることによって、ポジションを持ちます。そして必ずどこかで決済します。この決済には「利益確定」か「損切り」しかありません(建値決済は損切りに入ります)。つまり市場参加者(トレーダー)は新規注文と決済を繰り返しているわけです。それならばどこの価格帯に注文が集中しているかの推測が立てばトレード計画が立てやすくなると思いませんか?その判断材料の一つとしてパターンがあります。ここでは反転パターンであるヘッド&ショルダーを例に解説していきます。まず、サポートライン、もしくはレジスタンスラインが絡んでいることがパターン形成の大前提としてあるので注意してください。

チャートパターンのメカニズム

①は元々「買いポジション」を持っているグループです。

②は押し目を付けた事で「買いポジション」を持ったグループです。

③は押し安値を守った事で「買いポジション」を持ったグループです。または、①と②のグループの中から増し玉で「買いポジション」を持ったグループです。

①のグループは高値更新をするたびに決済ラインをトレーリングしてきます。そうすると前回高値を付けた緑ラインAから、最高値を付けた緑ラインBの下に決済ラインが来ます。さらに通常押し目買いをした人たちは少し下に損切り注文を入れているので、②と③のグループもラインBの下に決済ラインが来ます。それぞれ「買いポジション」を持った理由は違いますが、損切りの位置はラインBの下付近で集中し、かなり近い事が推測できます。

そして④は高値切り下げと安値更新するポイントであり、押し安値を切る事でトレンド転換を示唆するものであることから、新規の売り注文がたくさん入っています。結果4つのグループの売り注文が集中することになり、ネックラインであるラインBを下回れば売り方が有利になると判断できます。これがヘッド&ショルダーのネックラインを切ったら反転する確率が高いと言われる理由になります。考え方は他のパターンでも同じになります。

このようにパターンの表面的な理解だけでなく、パターン形成の背景まで理解できていると、より自信を持ってトレードできるのではないでしょうか。

2-2.ラインがあってのチャートパターン

実は、チャート上からパターンを探すといくらでも出てきます。それもそのはずでチャートパターンは個人の自由で認識できるわけですから、個人の見方の数だけあるとも言えます。しかしチャートパターンが形成されたからと言って、常に相場がパターン通りに動くわけではありません。チャートパターンが完成したらパターン通りに機能しやすいエリアが存在します。それがレジスタンスラインサポートラインです。2-1の章で気づいた人もいるかも知れませんが、ライン周辺は世界中のトレーダー達の注文が特に集中している、またはエントリーや決済を検討しているポイントでもあります。言い方を変えるとレジスタンスライン周辺には売りを考えている勢力が多く、サポートライン周辺には買いを考えている勢力が多いと言うことになります。従って反転する可能性も高いですが、一度ラインを抜けると抜けた方向へ一気に相場が動きやすくなる可能性も高くなります。この注文が集中していると思われるエリアでチャートパターンが形成された時の方が、そうでないエリアよりもパターン通りに機能する可能性が高くなります。従ってチャートパターンは、ラインに対してのプライスアクションの有無を判断するツール(道具)と言う考え方をしていきます。

3.チャートパターンを利用したエントリー方法

ここでは実際のチャートで、チャートパターンのどこでエントリーするのかを参考例として紹介していきます。

3-1.ダブルトップ・ダブルボトムの場合

エントリー例4 エントリー例5

3-2.ヘッド&ショルダー・逆ヘッド&ショルダーの場合

エントリー例6

 

3-3.ボックス圏・ペナントの場合

エントリー例10 エントリー例11

3-4.N字の場合

エントリー例12

共通している点はチャートパターンを完成させた、またはブレイクしたローソク足の終値が確定してからエントリーをすると言う点です。そしてサポートラインまたはレジスタンスラインに対してのプライスアクションになっていると言う事です。このようにチャートパターンが認識できるようになると、エントリータイミングが分かるようになります。

4.まとめ

ここでは比較的分かりやすいパターンに絞って紹介してきましたが、あくまでもチャートパターンはエントリーのきっかけの一つに過ぎず、大事なのはエントリーに至るまでの背景です。ここで言う背景とは、「長期足から短期足までの複数のタイムフレームで相場環境を分析し、トレンドが出ている方向へエントリーを検討して、待ち伏せしていたサポレジラインでプライスアクションが起きるのを監視する」と言う事になります。チャートパターンを始め、チャートから読み取れる情報を最大限活用することが安定的に勝てるトレードに繋がっていきます。チャートからパターンを認識することに慣れてきたら、チャートパターン形成の根拠となる環境認識も身に着ける事をお勧めします(FXで安定的な「勝ち」を手に入れるために勉強すべき4つのポイント)。