チャートとは?FXで刻一刻と変化する為替相場を把握するツール

チャートとは

株式や外国為替取引をする時に必ず見るのがチャートです。このチャートには市場価格に関する情報がたくさん詰まっています。

ですが一口にチャートと言っても、その表示内容や表示方法にはいろいろあります。ここではFXのチャートを使って、チャートとは何なのか、そしてその種類や必要性について解説しています。

チャートがイマイチよく分からない人でも、「どういうモノか」の理解ができる内容になっています。

1.チャートとは市場価格の値動きをグラフにしたもの

チャートとは、市場価格の値動きを時間軸でグラフにしたものになります。ここで言う市場価格とは外国為替市場の相場を指します。

例えばテレビのニュースでよく流れる「外国為替市場の現在の円相場は前日より20銭の円高ドル安の1ドル105円50銭となっています」などと言うのは、円のドルに対する相場を表しています。

この相場の変化を時間軸を使ってグラフにしたものがチャートと呼ばれるものです。

ローソク足チャートのサンプル

これはローソク足チャートと呼ばれるチャートです。

過去から現在にいたるまでの相場の値動きが一目で分かります。ここから過去の値動きの動向などを分析して、将来の値動きを予想する時に使われたりします。

このことから為替や株式などの金融商品取引では広く活用されています。

2.チャートには3種類ある

チャートは一般的に使われているものでは主に3種類あります。ローソク足チャート、バーチャート、ラインチャートの3つです。

①ローソク足チャート

チャートのサンプル

前章でも紹介しましたが、こちらはローソク足チャートと呼ばれるチャートになります。

ある一定の時間軸の中の値動きをローソクに似た形で連続して表示したものです。ローソク足1本で始値(はじめね)、終値(おわりね)、高値(たかね)、安値(やすね)の4本値と呼ばれる価格を知ることができます。

このチャートは4本値がはっきりと表示されているので、細かいところまで見やすいのが特徴です。その為テクニカル分析(チャートを使った相場分析)に適しており、スキャルピング(※1)からデイトレード(※2)などに向いています。

②バーチャート

チャートのサンプル次にバーチャートですが、こちらは本体部分のないローソク足の形をしています。左に出ている枝部分が始値で右側に出ている枝部分が終値になります。

得られる情報はローソク足チャートと全く同じですが、見た目が少し違います。そのためローソク足チャートと比べると大ざっぱで細部までよく見ないと少し確認しづらいチャートです。

その分相場の流れ自体をつかむのに適しています。このことからスイングトレード(※3)に向いています。

③ラインチャート

ラインチャートのサンプル

最後にラインチャートです。こちらはローソク足で言う終値を線で結んだものになります。他の2つのチャートと比べるとかなり違って見えると思います。

ノイズのような値動きは表示されにくいので、高値安値が認識しやすいのが特徴です。この性質上、デイトレードからスイングトレードに向いています。

※1.スキャルピング=一回のトレード時間が数秒から数十秒

※2.デイトレード=一回のトレード時間が数分から数時間

※3.スイングトレード=一回のトレード時間が数日から数カ月

チャートの適正比較表

以上の3つがよく使われているチャートですが、この中で特に使い勝手が良いのが①のローソク足チャートになります。

ローソク足自体に多種多様な分析方法があり、初心者から経験者まで幅広い層に使われているからです。

またあらゆるトレードスタイルに適応が可能です。もしどのチャートを使うかまだ決まってないのなら、ローソク足チャートを使う事をおすすめします。

3.FX取引には必要最低限のツールで最大の武器

FX取引においてチャートは切っても切り離せないとても大事なものです。

なぜならFXはチャートから得られる情報を元に取引をすることが基本になるからです。

しかもFX取引をしている世界中の人たちが同じようにチャートを見ています。これは「チャートを見ずに取引をすることは、相場の流れを無視しているようなもの」であり非常に危険なことを意味します。

またチャートにはインジケーターと呼ばれる複数の補助機能を表示させることもできます。

このインジケーターを相場状況の判断や、トレードする時のシグナル(合図)や目安として使う事によって、継続的かつ安定的なトレード成果につなげることもできます。

以上のことからチャートはFX取引に必要最低限のツールであると同時に、安定した収入を稼ぐための最大の武器であるとも言えます。

4.チャートから分かる情報

ではFX取引をする時、チャートからどのような情報が得られるのでしょうか。ローソク足チャートの場合ですと、以下のことが分かります。

チャートの表示の解説1

これはドル円の日足(ひあし)チャートになります。

「通貨ペア」とは各国の通貨の組み合わせを指します。例えば「米ドルと日本円」はよく聞きますが、他にも「ユーロドル」、「ドルスイス」、「ポンド円」など数十種類の通貨ペアがあります。

チャートの表示の解説2

通貨ペアの見方は、左側の通貨を右側の通貨単位で表しており、USDJPYの場合は「1ドル=○○円」になります。EURUSDだと「1ユーロ=○○ドル」となります。

またタイムフレームとは時間軸のことで、1分から1カ月までの種類があり、必要に応じて変えることができます。

チャートの表示の解説3

ここで紹介しているチャート図は日足のチャートですので、1本のローソク足が1日(24時間)を表しています。

「米ドルが日本円だといくらなのか」の1日の値動きを1本のローソク足で表し、そのローソク足を連続で表示したものになります。

このようにチャートから「通貨ペア」と、「時間軸ごとの値動き」をリアルタイムで知ることができます。

一般に裁量トレードと呼ばれる取引は、このチャート内で作られた値動きに対して、クセや法則性を見出してトレードの足掛かりとしているわけです。

5.まとめ

ここまでチャートについて解説してきましたが、「習うより慣れろ」と言うように、実際にチャートを利用していくことが自分のものにする近道になります。

自分のものにするとは、自分なりのチャートの見方ができるようになることであり、裁量トレードの第一歩と言えます。ローソク足チャートの詳しい見方は「チャートの見方|賢いトレードを実現する4つのエントリー手法」でも解説しています。