あなたはローソク足を知っていますか?
すでにFXを始めている人にとっては、常識と言っていいほど基本中の基本ですが、これから始めようとする人にとっては、見たことあるけど意味はわからないただの記号に見えるはず。
ローソク足は相場の状況をシンプルに表現している便利な指標です。正しい見方が分かるだけであなたの投資のレベルはグッと向上します。
そもそもローソク足とは、江戸時代に日本人である本間宗久が米の先物取引のために発明したと言われています。
海外ではなく、日本で発明されたと聞くと、親近感湧きませんか?日本で発明されてるからこそ、日本人の考え方に合っているとも言えるかもしれません。
この記事では、ローソク足の基本的な見方と相場の関係性をわかりやすく解説します。
この機会に、ローソク足をただの記号ではなく、投資判断に使える道具として使いこなせるようになりましょう。
ローソク足の種類とは?
まずは、こちらのチャートをご覧ください。
一見すると、一筆書きの波のように見えますが、拡大するとローソクのような棒の集まりで構成されています。
このローソクのような棒のことをローソク足と呼びます。
ローソク足は、始値、終値、安値、高値の4つの値(四値)を使って構成されます。
例えば、100円で始まったものが、一旦50円まで値下がりし、その後200円まで値上がりした後に、150円まで下がって終わった場合、上記4つの値は下記のようになります。
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始値:始まりの値段=100円
終値:終わりの値段=150円
安値:1番安い値段=50円
高値:1番高い値段=200円
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そして、この時のローソク足は以下のように作られます。
- 始値と終値でローソクの上下を作る
- 安値と高値がヒゲのように上下に付く
どうでしょう?思ったより簡単じゃないですか?
このようにローソク足は四値で作られており、それらの変化で様々な種類のローソク足が作られます。
それでは、このように作られるローソク足が何に使えるか次から説明していきます。
ローソク足の種類で投資タイミングが分かる!
ローソク足は、上のチャート中で丸で囲ってるようなトレンドの転換点で威力を発揮します。
なぜなら、ローソク足の変化からトレンドの変化を予想出来るからです。
例えば、上昇トレンドがしばらく続いた後に、ローソク足の変化から「買いが弱く・売りが強くなってきた」と判断できる場合は、上昇トレンドが終わる可能性があります。買う人よりも売る人が多くなれば必然的に値段は下がるからです。
実際にトレンドが変わった部分のローソク足を見てみましょう。
上昇トレンドで推移していたものが、上に長い線があるローソク足を境に、下降トレンドに変化していることがわかります。
このローソク足の上に付く長い線を上ヒゲと言います。上昇トレンドで、この長い上ヒゲが付くとトレンドの転換点になる場合があります。
このように、必ずでは無いですが、トレンドの転換点には、特徴的なローソク足が生まれる場合が多いです。
そして、ローソク足の変化を観察し、トレンドの転換点を予想できると、それに合わせて、あなたの投資タイミングを決めることが出来るようになります。
それでは、ローソク足がどのように変化するとトレンドの転換点が近いと言えるか次から説明します。
3つのトレンド別ローソク足の種類
ローソク足の変化から売り買いの強さを想定するためには、ローソク足の基本的な種類・作られ方について理解することが一番重要です。
ローソク足はいろんな形・種類があるように見えますが、基本は陽線・陰線の2種類です。
「陽線」とは始値より終値の方が高いローソク足のことです。つまり、その期間で値上がりするとローソク足は陽線となります。
一方、「陰線」とは始値より終値が安いローソク足のことです。つまり、その期間で値下がりするとローソク足は陰線となります。
これら2種類を基本として、値動きに合わせていろんな形に変化しており、そのなかで特徴的な形に名前が付いているだけです。
つまり、何十種類とローソク足の形・種類を覚える必要は全くありません。それよりも、ローソク足の形からどんな値動きをしたのか読み取れることが売り買いの強さを読み取る上で大切です。
ローソク足から売り買いの強さを読み取れるようになるために、上の図のように①上昇トレンド、②下降トレンド、③変化の少ないトレンドの3つのトレンドのときにどんなローソク足が作られやすいか以下にまとめました。
①上昇トレンドに多いローソク足の種類
〜上昇トレンドの勢いが強い〜
上昇トレンドが強く、勢いよく値上がりしているときは、売る人よりも買う人が多いので、基本的に陽線が多くなります。陽線の中でも大きく値上がりしたものは大陽線と呼びます。
他にも、陽線丸坊主(ようせんまるぼうず)と呼ばれる値上がりし続けたローソク足や、陽線大引坊主(ようせんおおびきぼうず)と呼ばれる一旦値下がりするが、その後大きく値上がりしたローソク足などあります。
いづれも始値よりも終値が大きく値上がりしているので、ローソク足本体の青い部分が大半を占めています。
これらのローソク足からわかるように、ローソク足本体が長く・始値より終値が大きく値上がりしているときは、売りより買いが強いため上昇トレンドが強いと判断できます。
〜上昇トレンドの勢いが弱まってきた〜
上昇トレンドの勢いが弱くなってくると徐々に買う人が減ってくるため、値上がり幅が小さくなるので、陽線の長さが短くなります。また、ローソク足の上に線が増えるようになります。これを上ヒゲと言います。
上記のようなローソク足を陽線寄付坊主(ようせんよりつきぼうず)と呼びます。
上ヒゲが増えると言うことは、一旦値上がりして高値を付けたけど、売り圧力に負けて、結局値段が上がりきらなかったと言うことを意味します。
つまり、買いが弱くなり、売りに少し負けだしたと考えることが出来ます。
このように、ローソク足本体が短くなり・上ヒゲが増えだしたときは、買いが弱まりつつあるため上昇トレンドの勢いが弱まってきたと判断できます。
〜上昇トレンドが終わるかも〜
上昇トレンドが終わりに近づくと、ローソク足の上や下に長いヒゲをつける場合があります。この長いヒゲが上昇トレンドが終わるきっかけになる場合があります。
売りが強くなってくると、高値を付けてから大きく下がったり、最初に大きく値下がりしてからなんとか値上がりするといった値動きが増えるため、長いヒゲが生まれるようになります。
陽線の下に長いヒゲを付けた形を下影陽線(したかげようせん)と言い、カラカサとも呼ばれます。
一方、陽線の上に長いヒゲを付けた形を上影陽線(うわかげようせん)と呼び、その形からトンカチと呼ばれます。
他にも、一旦大きく値上がりした後に、大きく値下がりしているトウバと呼ばれるものもあります。
これらの形をしたローソク足が上昇トレンドに現れた場合は、上昇トレンドが終わる可能性があるため注意しましょう。
②下降トレンドに多いローソク足の種類
〜下降トレンドの勢いが強い〜
下降トレンドが強く、勢いよく値下がりしているときは、買う人よりも売る人が多いので、基本的に陰線が多くなります。陰線の中でも大きく値下がりしたものは大陰線と呼びます。
他にも、陰線丸坊主(いんせんまるぼうず)と呼ばれる値下がりし続けたローソク足や、陰線大引坊主(いんせんおおびきぼうず)と呼ばれる一旦値上がりするが、その後大きく値下がりするローソク足などあります。
いづれも始値よりも終値が大きく値下がりしているので、ローソク足本体の赤い部分が大半を占めています。
これらのローソク足からわかるように、ローソク足本体が長く・終値より始値が大きく値下がりしているときは、買いより売りが強いため下降トレンドが強いと判断できます。
〜下降トレンドの勢いが弱まってきた〜
下降トレンドの勢いが弱くなってくると徐々に売る人が減ってくるため、値下がり幅が小さくなるので、陰線の長さが短くなります。また、ローソク足の下に線が増えるようになります。これを下ヒゲと言います。
上記のようなローソク足を陰線寄付坊主(いんせんよりつきぼうず)と呼びます。
下ヒゲが増えると言うことは、一旦値下がりして安値を付けたけど、買い圧力に負けて、結局値段が下がりきらなかったと言うことを意味します。
つまり、売りが弱くなり、買いに少し負けだしたと考えることが出来ます。
このように、ローソク足本体が短くなり・下ヒゲが増えだしたときは、売りが弱まりつつあるため下降トレンドの勢いが弱まってきたと判断できます。
〜下降トレンドが終わるかも〜
下降トレンドが終わりに近づくと、ローソク足の上や下に長いヒゲをつける場合があります。この長いヒゲが下降トレンドが終わるきっかけになる場合があります。
買いが強くなってくると、安値を付けてから大きく上がったり、最初に大きく値上がりしてからなんとか値下がりするといった値動きが増えるため、長いヒゲが生まれるようになります。
陰線の下に長いヒゲを付けた形を下影陰線(したかげいんせん)と言い、カラカサとも呼ばれます。
一方、陽線の上に長いヒゲを付けた形を上影陰線(うわかげいんせん)と呼び、その形からトンカチと呼ばれます。
他にも、一旦大きく値下がりした後に、大きく値上がりしているトンボと呼ばれるものもあります。
これらの形をしたローソク足が下降トレンドに現れた場合は、下降トレンドが終わる可能性があるため注意しましょう。
③変化の少ないトレンドに多いローソク足の種類
変化が少ない場合は、買う人も売る人も少ない場合が多いので、陽線や陰線が混在し、ローソク足の長さも短いものが多くなります。
ローソク足も上図のような特徴的なもの多く、いろんな名前が付けられています。
例えば、始値と終値がほとんど同じで上下にヒゲのついたローソク足は十字線、十字線より始値と終値の差がついたコマのような形をしたローソク足をコマ足と呼びます。
他にも、値動きが全くなく始値、終値、高値、安値が全て同じローソク足を四値同時と呼びます。
これらも、名前を覚える必要はなく、ほとんど値動きしていないなと理解出来たら十分です。
3つのトレンド別のローソク足の変化について説明しました。ローソク足の変化から売り買いの強さの変化を読み取れるようになったでしょうか。最初は慣れないかもしれませんが、何度も繰り返し考えることで、簡単に読み取れるようになりますよ。
どの期間のローソク足を見るべき?
ここまで、ローソク足は一定期間における値動きを示したものとお伝えしてきましたが、実際に投資しようとすると、どの期間を見たらいいか迷うと思います。
ローソク足の種類は選択する期間によって、以下のようにいろいろあります。
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・1分間の値動き:1分足
・1時間の値動き:1時間足
・1日分の値動き:日足
・1週間の値動き:週足
・1ヶ月の値動き:月足
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私も、FXを始めた時はローソク足の期間によって、見え方が変わるので、何を信じたらいいのか分からなくなり、悩んでいました。
結論から言うと、あなたの投資期間と同じぐらいの期間で見るべきです。
例えば、デイトレードをする人は数分・数時間単位で売買を行うので、1分足や1時間足を見る。スイングトレードをする人は、数日・数週間単位で売買を行うので日足や週足を見る。長期投資をする人は数ヶ月単位で売買を行うので月足を見るイメージです。
このように、どの期間のローソク足を使うかはあなたがどんな投資をしようとしているかで決まります。なので、まず自分の投資スタイルを決めることが大切です。
ローソク足の種類まとめ
ローソク足の種類と見方について説明しました。
いろいろな形のローソク足をご紹介しましたが、1つ1つの名前や形を覚える必要はありません。ローソク足の形から買いたい人が多いのか、売りたい人が多いのかを想像し、相場の流れを予想出来るようになることが一番重要です。
ローソク足はFXの基本です。実際のチャートを見つつ、この記事で学んだことを復習してもらえると効率よく身につくと思います。この機会にローソク足の基礎をしっかりと見に付けて、あなたの投資レベルをUPさせちゃいましょう!