超分かりやすい実戦で使えるローソク足講座①(基礎編)

チャートの値動きを見ていると、目先の動きに釣られてついついエントリーしたくなってしまい、結果、負けトレードを増やしてしまっていませんか?

目先の動きを追いかけ回しても勝てるようにはなれません。

チャートの動きやローソク足の特徴を理解し、「目先の動きを後ろから追いかけ回す」のではなく「起こった動きからこの先想定される可能性の高い方向に対して先に仕掛ける」エントリーを行うことが、相場の流れに乗れるようになるためには重要です。

ですから、「超分かりやすい」「しかも実戦で使える」ローソク足講座シリーズとして記事にまとめていきたいと思います。

今回の記事では、実戦的な内容に入る前におさえておきたい「ローソク足の基礎」についてまとめました。

そのくらいは知っている!という方は、【トンカチ/トウバの手法公開】実戦で使えるローソク足講座②の記事にスキップしてください。

1.ローソク足の構成要素

一本のローソク足は、チャートで選んだ時間足の最小単位の動きを形にしています。
例えば「1時間足」チャートの場合だと、1時間分の値動きが1本のローソク足として表示されます。

陽線/陰線

終値が始値より高い価格のローソク足を「陽線」、
逆に 終値が始値より安い価格のローソク足を「陰線」
と呼びます。

陽線と陰線の解説図

始値/終値/高値/安値

ローソク足が始まった時点の価格を「始値(はじめね)」、
ローソク足が確定した時点の価格を「終値(おわりね)」、
ローソク足が始まってから確定するまでの間で最も高い価格を「高値(たかね)」、
ローソク足が始まってから確定するまでの間で最も安い価格を「安値(やすね)」
と呼びます。

実体

始値と終値の間の、四角になっている部分を実体(ローソク足実体)と呼びます。

ヒゲ

ローソク足実体の上下にある縦の直線をヒゲと呼びます。

始値/終値/高値/安値

2.ローソク足はどうやって形成されていく?

ローソク足の構成要素」は理解できましたでしょうか?
次は「1本のローソク足はどうやって形成されていくのか?」について解説していきます。

下の画像は1時間足チャートです。1時間足なのでローソク足1本は1時間分の値動きとなります。
オレンジ色で囲んだ部分に注目してください。

このローソク足

次に、下の画像は上の画像と同じ通貨ペア・同じ日・同じ時間帯の5分足チャートです。囲んだ範囲、12本のローソク足が上の1時間足チャート画像で囲んだ部分と全く同じ時間帯(5分✕12=60分)の値動きになります。

最初は上昇が続いていましたが、途中から反転してやや大きく下落した流れになっています。

最初は上昇チャート

下の画像は、ひとつ上の画像と同じ5分足チャートです、ひとつ上の画像で囲んでいた一番左の足の始値と一番右の足の終値を四角で塗りつぶし、囲みの間で一番高い価格と一番安い価格に縦線を引いたものです。
ふたつ上の1時間足チャートの囲み部分と下画像で塗りつぶした部分とを見比べてみてください。同じ形(上ヒゲが長い陰線)になっています。

5分足チャート

つまり、ローソク足は、
・1本の足が確定するまでのあいだ価格は上下に動き、始値から終値までの間がローソク足の実体として形成される
・始値と終値の価格からはみ出した動きはローソク足のヒゲとして形成される
という事です。

なお、今回のチャート例では1時間足と5分足を使って解説しましたが、ローソク足形成の仕組みはどの時間足でももちろん同じです。

5分足:ローソク足1本は、5分間の値動き(どの価格から始まったか、一番高い価格/一番安い価格はいくらだったか、最終的にどの価格で値動きが終わったか)で形成される

1時間足:ローソク足1本は、1時間の値動きで形成される
4時間足: ローソク足1本は、4時間の値動きで形成される
日足:ローソク足1本は、1日の値動きで形成される
週足:ローソク足1本は、一週間の値動きで形成される

3.これだけ覚えればOK!ローソク足の種類

ネットや書籍で勉強すると、とてもたくさんのローソク足の名称が紹介されていると思います。
(トンカチ、トウバ、トンボ、カラカサ、十字線・・・)
が、ハッキリ言って正確に覚える必要は全くなく、4タイプを覚えておけば全く問題ありません!

なぜなら、ローソク足の種類を覚える目的はトレード判断をするためであって、あらゆる形を名称で完璧に覚えて自己満足したり他人に自慢するためではないからです。

微妙な形の違いで呼び名が異なっていても、結局同じトレード判断に使うのならば、呼び方を統一した方がシンプルですからね。

この章では、トレード判断に必要なローソク足を4タイプ、それぞれ解説していきます。

3-1.大陽線

「1.ローソク足の基礎」で「陽線」については解説済みですが、その陽線のうち実体部分の長いものを「大陽線」と呼びます。

大陽線

大陽線の定義ですが、「実体の長さ」「ヒゲの長さ」などに厳密な決まりはなく、周りのローソク足と見比べて実体の長さがハッキリ目立つかどうかで判断します。

この大陽線が意味することですが、ローソク足を見ての通り「買い勢力の勢いが強い」ことを表します。

3-2.大陰線

大陰線と同様に実体部分の長いローソク足の陰線を「大陰線」と呼び、「売り勢力の勢いが強い」ことを表します。

大陰線

どれを大陽線/大陰線と見て、どれは大陽線/大陰線と見ないかはたくさんチャートを見るしかありません。また、唯一の正解/不正解というものもありません。
下のチャート画像は、大陽線/大陰線の解説で使ったチャート内の大陽線/大陰線を一通り囲んでみたものです。あくまで一例として参考にしてみてください。

大陽線/大陰線の一例

3-3.コマ足

実体部分が小さく、上下にヒゲが伸びているローソク足を「コマ足」と呼び、「買い勢力/売り勢力の攻防が拮抗している」ことを表します。

実体部分がなく上下にヒゲが伸びているものは「十字線」と呼ばれますが、「買い勢力/売り勢力の攻防が拮抗している」ことに変わりはないので(わざわざ違う呼び方をする意味がないので)、こちらもまとめて「コマ足」と呼んで問題ないと思います。

実体部分が小さくても、上下ヒゲの長さが大きく異なる(どちらかが非常に長い)ローソク足はコマ足とは呼ばないので注意しましょう。

下の画像はいくつかコマ足に矢印を引いていますが、これが全てではなく、下の画像内だけでもかなりの数のコマ足が見られますね。「相場は7割がレンジ」と言われているとおり、必然的にコマ足は多くなります。

コマ足

3-4.ピンバー

実体部分が小さく、かつ上下どちらかのヒゲが長いローソク足を「ピンバー」と呼びます。

コマ足は「買い勢力/売り勢力の攻防が拮抗している」ことを表していますが、ピンバーは「一方向への強い動きが失敗した」ことを表します。

ピンバーとコマ足は、似ているようで意味するところは大きく異なりますので別物として見ていきます。

下の画像でピンバーを矢印で指しています。コマ足との形の違いを見比べてみてください。

ピンバー

4.まとめ

ローソク足の基礎についてひととおり記事にまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?

【トンカチ/トウバの手法公開】実戦で使えるローソク足講座②を理解するためには、基礎編の内容は全て必要になりますので、しっかり理解しておいてください。

・ローソク足の構成要素・呼び方

陽線/陰線
始値/終値/高値/安値

・1本のローソク足はどうやって形成されていくのか?
・覚えておくべき4種類のローソク足

大陽線/大陰線/コマ足/ピンバー