こんにちは、FXBです。
テレビなどで「現在の外国為替市場は1ドル100円から100円3銭(せん)で取引されています」というフレーズを耳にしたことがあると思います。
FXのレートとは「別々の国の通貨(円やドル)をどのくらいの割合で交換するか」を表しています。
「1ドル100円で取引されている」というのは「1ドルは100円と交換できますよ」という意味になります。
この交換する比率のことをレートと呼びます。
そして、このレートはFXをする上で、必ず理解しておく必要があります。
なぜなら、FXではレートが常に変わり続けることを利用して利益を得るからです。
この記事では、レートとは具体的にどういうものなのか、そしてどのようにレートが変わっていくのかをお伝えしていきます。
レートについて詳しくなることで、FXで予想を立てるときに、より勝率の高い予想をすることができるようにもなっていきます。
FXで勝つために、この記事を読んでレートについて詳しくなりましょう。
ではさっそく解説していきます。
FXのレートは「為替レート」
FXのレートとは「A国の通貨とB国の通貨を交換するときの交換比率」になっています。
円とドルを交換するように、別々の通貨を交換するときに、どれくらいの比率で交換できるのかを表しているのがレートです。
しかし、レートは常に同じ価格ではありません。1ドルを100円と交換できたり、101円必要だったりと常に変動しています。
レートはいつも同じではなく、必ず変化し続けます。そしてFXは、レートは常に変化するという点を利用して、利益を得る投資です。
たとえば、1ドルが100円のレートのときに手持ちの円をドルと交換して、1ドルが110円のレートに変化したらドルを円と交換します。
すると、10円の利益が得られます。交換した通貨の価格が上がったときに利益が得られるように投資することを「買い」と言います。
また、100円と交換できた1ドルが、110円払わないと交換できなくなることを「円安」逆に、90円で交換できるようになれば「円高」と呼ばれます。
円とドルでFXをするときには「円安」になるか「円高」になるかを予想して投資をするというわけです。
そして、FXでは「買い」だけではなく、「売り」という持っていないドルを借りて利益を狙うこともできます。
詳しくは「FXで利益が得られる仕組みがよくわかる記事」で解説しています。
2種類のレート:売り・買い
FXにはトレード(通貨の売買)をするときに「売り」と「買い」の二種類のレートが使われます。
売りと買いのレートは、次の画像のように表示されます。
BID(ビッド)は売り、ASK(アスク)は買いを表す言葉です。
売りと買いの価格の差を「スプレッド」と呼び、トレードをするための手数料になっています。
たとえば円とドルでトレードするとき、買いと売りのレートは、それぞれ次のように使います。
・買いのレート
1ドルを買うのに円がたくさん必要になる「円安」にレートが変わると予想するときに使う。
・売りのレート
1ドルを買うのに円が少なくて済む「円高」にレートが変わると予想するときに使う。
通貨がこれからどのようなレートに変わっていくかを、売りと買いの2種類のトレード方法で当てるのがFXの稼ぎ方です。
レートはなぜ変動するのか
FXでレートが変動するのは「交換したい人のバランス」が変わるからです。
通貨のトレードには必ず、交換相手が必要になります。
ドルを売って円を買いたい人、円を売ってドルを買いたい人がいるときに、トレードが行えます。
1対1で交換しているときは、お互いの言い値が同じなら交換できます。
もし「いつでも1ドルは100円と交換する」と約束すれば、いつでも1ドルと100円を交換することもできます。
しかし、たとえば交換したい人のバランスが4対1になると、4人の中から一番良い条件の人と交換したくなります。
良い条件とは「自分にとって、より利益が大きくなる価格を提示してくれること」です。
たとえば、4人がみんな「1ドルを100円と交換したい」と思ったとき、誰が選ばれるかは分かりません。
しかし、1人だけが1ドルを110円と交換したいと言えば、選ばれる可能性はとても高くなります。
なぜならドルを円と交換したい人にとって、より良いレートを提示したからです。
つまり、交換を希望する人数が変化することで、通貨を手に入れるためには「交換相手にとって良い条件でレートを提示する」必要があるようになります。
交換希望者がさまざまな条件でレートを提示することで、レートは常に変動していきます。
レートが大きく変動する3つの理由
レートが大きく変化するときには、次の3つのような理由が関係しています。
- レートが大きく変動する理由①:経済指標
- レートが大きく変動する理由②:金利
- レートが大きく変動する理由③:市場介入
3つの理由とは、多くの人が特定の通貨をもっと買いたくなったり、売ったりしたくなる情報です。
情報が発表されると大きくレートが変動するために、利益も大きくなりますが、損失も大きくなります。
そのため、FXに慣れていない間は情報発表のときに、FXをせずにレートがどう動くのかを観察するようにしましょう。
では、それぞれ詳しく解説していきます。
レートが大きく変動する理由①:経済指標
経済指標とは、国の機関や銀行などが現在の「経済に関連する統計」を発表することです。
特に世界一の経済大国であるアメリカの経済指標が発表されると、レートが大きく動くことがあります。
なので、FXトレーダー(FXをしている人)の多くは、アメリカの経済指標に注目しています。
特に次の4つの経済指標が発表されると、価格が大きく動く傾向にあります。
- 米国雇用統計
- GDP
- 鉱工業生産
- 小売売上高
この4つの経済指標は、世界中のFXトレーダーがチェックしていると言っても過言ではありません。
経済指標ではさまざまな経済に関することが発表されます。その結果が予想よりも悪いものになると、その国の通貨が売られ、通貨の価格が下がっていきます。
逆に、予想よりも良い結果が発表されると、その国の通貨が買われ、通貨の価格も上昇します。
レートが大きく変動する理由②:金利
物価や通貨の価格を安定させるために、各国の中央銀行(日本は日本銀行)が金融政策というものを行うことがあります。
そのなかの一つに「政策金利の調整」があります。
景気が過熱しすぎたときには金利を下げることで、過熱を冷まし、ちょうどいい景気の状態を保つようにします。
また、景気が冷めすぎたときには金利を上げて、景気を暖めるという仕組みになっています。
政策金利の高い国のお金を持っていると、金利がより多くもらえます。
なので投資家は金利の高い国の通貨を買うことになり、売り手と買い手のバランスに影響を与え、レートが変わるというわけです。
レートが大きく変動する理由③:市場介入
市場介入とは自国の通貨の安定のために、政府や国の機関などが為替市場(通貨を交換する場)に介入することを指します。
つまり、レートが高くなりすぎたり、安くなりすぎたときに、政府などが通貨を売ったり買ったりして、レートを良い位置で安定させようとすることです。
市場介入が行われると、とても大きな額がまとまって動くことになるので、短期間の間にレートが激しく変動します。
ここまででレートが変動する大きな理由を3つお伝えしました。
しかし、FXでトレードを行うとき、レートだけを確認して売買を始めることは、まずありません。
多くのFXトレーダーは、トレードをしようと思っている通貨が、過去にレートがどのような変動をしてきたかをチェックしてから、トレードを行います。
過去のレートの動き方をチェックするために必須なのが「チャート」と呼ばれるものです。
レートの動きを図にしたもの「チャート」
FXのチャートとは、レートが過去どのように変化してきたのかを、分かりやすく図にした「ローソク足チャート」というものが有名です。
(画像はGMOクリック証券のローソク足チャート)
このチャートを見ることで、過去の値動きをチェックしたり、さまざまな分析方法を使って、より当たりやすい予想を立てることができます。
過去の値動きを分析し、これからの値動きを予想するのが「テクニカル分析」です。
さっそく解説していきます。
過去の値動きを分析する:テクニカル分析
テクニカル分析は、チャート上に表示されている過去のレートの値動きから、未来の値動きを予想する分析方法です。
使い方は、チャート画面上に分析結果を表示するだけなので、FX初心者にも扱いやすいのも特徴になります。
分析結果から分かることはつぎのようなことです。
- 売り時・買い時
- 今の価格が高すぎるか、安すぎるか
- 相場の方向性
テクニカル分析を行うことで、どのようにトレードしたらいいのかを知ることができます。
そして、テクニカル分析は大きく分けて「トレンド系」と「オキシレーター系」と呼ばれる二つの種類があります。
■トレンド系
トレンド系は、通貨のレートがどちらの方向へ向かっているのかを教えてくれます。
たとえば30分前から今まで、レートが下がり続けているとしても、長い時間軸で見るとレートは上がり続けているということがあります。
このように一定期間レートが上がり続けていることを「上昇トレンド」と呼び、下がっている場合は「下落トレンド」と呼びます。
また、一定のレートの間を行ったり来たりしている場合「レンジ相場・よこばい相場」などと呼びます。
上昇・下落・レンジの3種類のトレンドが存在していて、今がどのトレンドなのかを教えてくれるのがトレンド系のテクニカル分析です。
トレンド系テクニカル分析の代表的なものは次の二つです。
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
どちらも今がどのようなトレンドなのかを判断するのに役立ちます。
■オキシレーター系
通貨が売られすぎていたり、買われすぎている過熱状態であるかどうかを分析してくれるのがオキシレーター系のテクニカル分析です。
買われすぎている状態はいつまでも続きません。なぜなら通貨を買った以上は、どこかで決済(トレードを終えること)をする必要があるからです。
通貨を買ってトレードを始めた場合、通貨を売ることで決済をします。
つまり、買われすぎている=いつか売りが続くタイミングが来るということになります。
オキシレーター系テクニカル分析では、買われすぎている、もしくは売られすぎている状態から、通貨を買うべきか売るべきかを判断することができます。
オキシレーター系テクニカル分析の代表的なものは次の二つです。
- RSI
- ストキャスティクス
そしてFXには順張り・逆張りという考え方があります。
順張りはトレンドに従ってトレードを行うことで、上昇トレンドなら買い、下落トレンドなら売りを選択します。
逆張りではトレンドに逆らってトレードを行います。上昇トレンドはいつまでも続かず、必ずどこかで下落トレンドやレンジに変化します。
上昇トレンドから下落トレンドに移るタイミングを狙うのが、逆張りです。
一般的に順張りはトレンド系、逆張りはオキシレーター系と相性がよいとされています。
■注意が必要な「ダマシ」
テクニカル分析の結果から予想を立てて、いざトレードを始めたら予想と真逆の結果になって損をしてしまうことがあります。
これはFXで「ダマシ」と呼ばれ、ダマシではないかよく注意する必要があります。
ダマシを確実に回避する方法はありませんが、なるべく回避するには複数のテクニカル分析を使い、より結果の信頼性を高めることも有効です。
トレンド系とオキシレーター系を合わせて使うこともおすすめです。
まとめ
レートとは「A国の通貨とB国の通貨を交換するときの交換比率」を表したものです。
レートは今この瞬間も変わり続けています。そして、このレートが変化し続けるという性質を利用することで、FXで稼ぐことができます。
FXのレートは買うときと売るときで別のレートを使用します。買うときは高く、売るときは安いレートでトレードを開始することになります。
レートが変動するのには、大きくわけて次の4つの理由があります。
- レートが変動する理由①:経済指標
- レートが変動する理由②:金利
- レートが変動する理由③:市場介入
- レートが変動する理由④:投資
理由に違いはあれど、すべてに共通しているのは「誰かが売って、誰かが買った」ことによる、売り手と買い手のバランスが変化したということです。
売り手が多ければ、より安く買えるチャンスがあり、少なければ高くても買わざるを得なくなります。
逆に買い手が多ければ、なるべく高く売り、買い手が少なければ安くても早く売ろうとします。
買い手と売り手のバランスが変わることで、レートは常に変化していきます。
レートは今の価格を示すものですが、FXでは過去の値動きから、これからの値動きを予測します。
そのために、チャートと呼ばれる過去の値動きを図にしたものを利用します。
チャートにはテクニカル分析と呼ばれる、過去の値動きから今がどういう相場状況なのかを分析してくれる機能があります。
テクニカル分析を利用することで、売り時や買い時、相場の方向性などを読み解くことができます。
FX初心者の方はまず、さまざまなテクニカル分析を試してみて、分かりやすく、自分と相性の良い分析方法を探してみましょう。