ロスカットの意味や方法が分からなくて困っていませんか?
FX取引においてロスカットとは簡単に言うと、「損失を確定させるための決済のこと」を言います。
ロスカットは資金を守るために絶対必要な行為ですし、きちんと習得することによってトレードの成功を左右するものになります。
ここではロスカットの必要性や意味を簡単に解説していきます。初心者の方にもわかりやすい内容になっているので、読み進めてください。
1 ロスカットとは
ロスカットとは、「損失を確定する決済」のことを言います。
取引を開始したあと、含み損(※1)を抱えてしまった場合、更なる損失を防ぐためにロスカットを行います。
つまり、ロスカットによって損失を抑えることが可能となり資金管理が出来ます。
※1.含み損とは取引後に含み損が出ている状態で取引確定した時に損失が確定される状態を言います。
反対に含み益とは取引後に含み益が出ている状態で取引確定した時に利益が確定される状態を言います。
下の図は実際にUSDJPYをトレードした時に、含み損を抱えてロスカットするまでのイメージです。
2 ロスカットの必要性
ロスカットが必要な2つの理由は
- リスクを限定できる
- 資金を守ることによって次回投資のチャンスが生まれる
ではそれぞれの理由について見てみましょう。
2-1 リスクを限定できる
ここで言うリスクとは、資金が減ることを指します。
FX取引では資金が大きく増える可能性もありますが、同時に資金が一気になくなってしまう可能性もあります。しかし取引で毎回100%利益を出すことは不可能です。ですから、含み損を抱えた時には、できるだけ少ない損失で決済することが重要になります。
この時の「少ない損失」で決済するのがロスカットです。もちろんロスカットの基準や根拠は人それぞれです。取引をする上でロスカットをする機会が必ずあることを理解しましょう。
2-2 資金を守ることによって次回投資のチャンスが生まれる
ロスカットにより資金を守るということは、最低限の損失で取引を終えることを指します。
FX取引では勝率100%ということはありえませんので、必ず負けトレードが発生します。
1回の負けトレードで資金の全部を失う可能性もあります。しかしロスカットによって資金の損失を最小限に止める=資金を守ることに繋がり次回の取引のチャンスが生まれることになります。
ロスカットを最小限の損失に抑えて、次のチャンスに活かすことがなりよりも大事なことです。勝てるトレーダーになるために覚えておきましょう。
3 ロスカットの3つの種類
ロスカットを大きく3種類に分けることができます。
下の図をご覧ください。
ここではそれぞれのロスカットについて解説して行きます。
3-1 証拠金維持率による強制ロスカット
証拠金維持率による強制ロスカットとは、証拠金維持率の一定ラインを下回った時に「強制的に損失を確定する決済」のことを言います。
ここで言う強制ロスカットとは取引会社がシステム上で行っている一定の維持率以下になったら、強制的に決済するという救済システムになります。
例えば、証拠金維持率が100%以下になったら強制ロスカットされる口座だった場合は、100%を切った瞬間から強制ロスカットされてしまいます。
具体的には下の図で説明しています。ご覧ください。
証拠金維持率による強制ロスカットは、取引会社によって維持率に違いがあるため確認する必要があります。
ヒロセ通称と外為ドットコムは100%に設定されています。DMM.com証券とGMOクリック証券は50%に設定されています。
3-2 裁量トレードにおける任意のロスカット
裁量トレードにおける任意のロスカットとは、一般的に『損切』と呼ばれる決済です。
相場の値動きが思惑と外れて含み損が拡大した時に、「相場を見誤った」と自覚して含み損の損失を確定する決済のことを言います。
これは、「ロスカットのルールを自分で決める」ことが重要であることを指します。
損失をどこで抑えるのか、無理のない範囲でどこまでを基準にするのか。負けを最小限に食い止め、次のトレードに切り替えて望む意識を持つことが、FXトレードをする上で非常に大切な要素の一つです。
ロスカットをなかなか思うようにできない人は沢山いますが、初めは誰でも感情に流されたりしてうまくできないものです。経験を通して自分に最適なロスカットの基準を見つけていくことも大事です。
3-3 システムトレードにおけるロスカット
これは自動売買システムによる機械的な決済を指します。
このロスカットの一番いいところは、自分の感情が取引に影響しないことです。3-2で解説した裁量トレードではどうしても自分の感情が入ってしまい時と場合や経験によってロスカットの位置が変化します。
しかし、システムトレードにおけるロスカットは、あらかじめ決められた内容(プログラム)に従って実行されるので確実性が高いです。
それぞれの特徴があるのでしっかり理解して、自分のスタイルや考えに合わせて選びましょう。
4 お勧めロスカットの基準ルール
最適なロスカットを活用して有利にトレードを進めるためには上記でも触れた、ロスカットの基準ルールを決める必要があります。
なぜなら、人間はその場の感情に流されて自分のルールを破り損失を出してしまう可能性もあるからです。守っていただくルールは一つだけになります。
それはエントリー時の直近高値安値をロスカットラインとすることです。
下記の図をご覧ください。
こちらは買いエントリー時のイメージ図ですが、ロスカットAが「直近安値」のロスカットラインになります。従ってエントリーする時にはどこでロスカットするのかを事前に決めておかなくてはなりません。
つまり、自分の感情に流されてロスカットが遅れた場合と正しくロスカットできた図を覚えておきましょう。
また、この図は基準ルールにしたがってロスカットしたAと、基準ルールがない状態でなんとなくロスカットしたBを比較しています。
Aでロスカットしなかった時、一時は含み損が減りますが、結局は大きな損失を出しています。こういったことは基準ルールのない取引では非常によく起こります。
実際にはなかなかできない事もあるので注意が必要です。
こちらは売りエントリー時のイメージですが、
買いの時とは反対で「直近高値」であるロスカットAがロスカットラインになります。
このようにロスカットの基準ルールをあらかじめ作っておけば、資金を守りながら安定して取引を続けていくことができます。
5 逆指値注文とは
逆指値注文とは自分でレートを指定して損切り注文を出す注文方法のことを言います。
自分が狙っている動きとは反対に動いた場合は逆指値注文で指定した数値に到達すると、ロスカットが行われます。
逆指値注文は指定したレートになれば自動的に注文が決済されるので、ずっとパソコンの前で張り付く必要性はありません。
では、詳しく図で説明していきます。ご覧ください。
下の図は100円で買ったあとに90円で逆指値注文を出した場合です。
100円で買った後、損失を限定する為に90円に逆指値注文を出しておきました。
自分の予想に反して市場価格が下降して終値で80円まで下がりました。
しかし、逆指値注文を出しておいたので90円でロスカットが実行されて損失を限定することができました。
下の図は100円で売ったあとに110円で逆指値注文を出した場合です。
100円で売った後、損失を限定する為に110円に逆指値注文を出しておきました。
自分の予想に反して市場価格が上昇して終値で120円まで上がりました。
しかし、逆指値注文を出しておいたので110円でロスカットが実行されて損失を限定することができました。
逆指値注文は自動で実行されるので相場が自分の思考と逆にいくのが怖くてロスカットできない人には逆指値注文は強い味方になると思います。
6 まとめ
FX取引をする上でロスカットは絶対に忘れてはいけないものです。
そもそもFXは利益と損失を繰り返しながらトータルで利益を目指しいていくものです。損失は必ず出るものなので、負けは負けで気持ちを切り替えて決済することが何よりも重要です。
なぜなら資金を守ることがとても大事なことで、FXは資金がなくなったら終わりだからです。
ここで紹介した「根拠のある賢い負け方」としてのロスカットを自身のトレードプランにぜひ組み込んでみてはいかがでしょうか。