こんにちは、FXBです。
この記事ではロット(Lot)とは何を意味するのか、どう使うものなのかを解説します。
ロットは簡単に言ってしまえば「一回のFXでいくらのお金を使うか」を表します。
なので、ロットを正しく理解しておかないと、思った以上にお金を使ってしまい、大きな損をしまうことがあります。
自分の資金や状況に合わせてロットを使いこなせば、お金をより早く増やす事も出来るようになります。さらに、例え負けてしまっても、しっかりお金を守る事が出来ます。
ロットを正しく理解することで、利益はより大きく、損失はより小さくコントロールすることが出来ますので、ぜひ覚えてくださいね。
ではさっそく解説に移りますね。
ロット(Lot)とは何か?
FXのロットは、お金をまとめて扱う為の単位です。そして、FXで通貨を売買=トレードするときには必ずロットを使う必要があります。
FXでは通貨を「111枚買う」とか「7777枚」というような端数の出るトレードは出来ません。
例えるなら、FXで通貨を買うのはスーパーでたまごを買うようなものです。
大体10個か6個のパックになっていますよね。1個づつ買うのではなく、まとめて買う。これがロットです。
ロットはまとめて買うという意味
ロットを詳しく知る為には、FXでのお金の単位を知る必要があります。
FXを行っていく上で必ず通る道ですので、これから解説するお金の単位の話はしっかり覚えてくださいね。
FXでは色々な世界の通貨をトレードすることが出来ます。世界の通貨にはさまざまな単位がありますよね。円、ドル、ユーロ、ウォンなどです。
ですがFXにおいては、どの国の通貨も同じ「通貨」という単位と呼ぶことになっています。
例えば、次のように表します。
- 1円=1通貨
- 1ドル=1通貨
- 100円=100通貨
- 100ドル=100通貨
- 10,000円=10,000通貨
- 10,000ドル=10,000通貨
ちょっと混乱するかもしれませんが、FXではどの国のお金であろうと、通貨という単位で呼ぶことになっています。
そして、多くのFX会社では10,000通貨を一つのまとまりとして取り扱うことが多いです。その10,000通貨のまとまりこそが1ロットです。
つまり、1ロット=10,000通貨ということになります。
注意!FX会社や人によってロットが違うことがある
一般的には1ロットは1万通貨ですが、FXの会社によっては1,000通貨を1ロットと定めたり、10万通貨を1ロットとすることがあります。
FX会社のサイトにはロットの記載があることがあります。もし、自分が使おうと思っているFX会社のロット数が気になる場合は、サイトを見るか、問い合わせをしてみましょう。
1ロットはいくら?
1ロットが10,000通貨ということを説明しましたが、ではそれがいくらなのかを解説します。
1ロットがいくらなのかを知るには、買いたい国の通貨が今いくらなのかを確認する必要があります。
たとえば、アメリカのドルで1ロットいくらなのかを見てみましょう。
1ロットがいくらなのかは、次のような式で計算できます。
アメリカのドルが1ドル=100円の時
10,000通貨×100円=100万円
これで1ロットが100万円ということが分かりました。
それから1ドルが110円に変わると、10,000通貨(ドル)×110円となり、110万円分へと変わるということです。
計算すると次のようになります。
アメリカのドルが1ドル=110円の時
10,000通貨×100円=110万円
1ロットは110万円へ変化しました。
このように1ドルが「今いくらなのか?」なのかによって、1ロットが今いくらなのかも、同じように変わっています。
FXでの利益と損失はロットによって変化する
例えば、1ドルが今100円だとすると、1ロットでは100万円分になります。
その時、1ドルが110円になると1ロットは110万円分になりますよね。
このように、1ドルの値段が変化することを「為替変動」と呼びます。
為替変動によって、1ドルの値段は常に変わります。なので、「1ドルが今いくらなのか?」が大事なポイントです。
次に、為替変動で利益を得る流れを見ていきましょう。
100円で1ロット買ったドルを、1ドルが110円時点で円に交換することで、10万円の利益を手に入れることができます。これがFXの為替変動による利益の産まれ方です。
そのときもし、2ロット買っていた場合は200万円を支払い、受け取るのは220万円分となり、20万円の利益です。同じ状況で10ロットの場合は、100万円の利益となります。
しかし同じ状況のときに、逆に1ドルが90円になった場合、1ロットで90万円分になり、10万円の損失です。
2ロットでは1ロットのときの倍の20万の損失になります。
ロットを増やすということは、為替変動によって得られる利益と損失を大きく変化させることに繋がるということです。
自分に合ったロットを知る
ロットは「増やせば利益が大きくなるから良いことだ」というものではありません。
ロットを増やすということは、それだけ損失が大きくなるリスクも大きくなるということです。
ですので、自分に合ったロット数を考える必要があります。
なぜなら、勝てる可能性の高いタイミングならロットを増やし、負けるリスクがありそうならロットを減らすことができるからです。(関連記事:超損小利大FXトレードの勝てるシンプルなFX手法を大公開します!)
つまり、自分でリスクをコントロールすることが出来るようになります。
初心者におすすめのロット数
最初にいくら資金を用意出来るかという問題はありますが、とにかく、最初は1ロットから始めてみましょう。
大きな利益を狙うよりも、まずは自分のお金が増減する感覚になれることの方がよっぽど大切です。
100円の利益や損失で一喜一憂したり、意外にもドキドキする自分に気付くかもしれません。
思ったよりも損失が大きくなってきたときにかかるメンタルへの負担も、試してみる初めて分かる事です。
ただ、資金の大小によっては1ロット=1万通貨では、すぐに資金がなくなってしまいます。
ですので、資金量から見てバランスの取れた通貨枚数から、トレード出来るFX会社をまとめました。
参考にしてみてください。
資金量 | 会社名 | 1ロットの内容 |
1万円 | SBI FXトレード | 1通貨 |
マネーパートナーズ(パートナーズFX nano) | 100通貨 | |
10万円 | 外為どっとコム(外貨ネクストネオ) | 1,000通貨 |
トレイダーズ証券(みんなのFX) | 1,000通貨 | |
100万円 | DMM FX | 10,000通貨 |
GMOクリック証券(FXネオ) | 10,000通貨 |
とにかく最初は、小さく1ロットから始めてみましょう。
また、いきなり自分のお金を投資するのが怖いという場合には、デモトレードから始めてみるのが一番です。
デモトレードは実際のお金を使わずに、トレードを体験できる機能です。
デモトレードの始め方は、「FXとは何か?初心者のためのFX入門「3つの基礎知識」」にて画像付きで分かりやすく解説しています。ぜひご覧ください。
資金量とロット数を比較しよう
ざっくりとした資金量とロット数の比較目安は、資金が10万円なら0.1~0.3ロット、100万円なら1~3ロットです。
ですが、ロットは常に自分の資金だけでなく、他のさまざまな要因と相談して考える必要があります。
この記事では、強制ロスカットという仕組みが起こらない用に考えていきます。
FXでは強制ロスカットという、トレーダー(FXを行う人)を大きすぎる損失から守る仕組みがあります。
強制ロスカットが起こる前には、必ず含み損という状態になります。含み損とはまだ確定していない一時的な損失を指します。
例えば、1ドル=100円のときにアメリカのドルを1ロット(100万円分)買ったとします。
そのあと、1ドル=90円になると、1ロット(90万円)となって10万円分の価値が減ってしまいました。
このときに、買ったドルを売る(円に戻す)事を決済と呼びます。
決済すると、10万円の損失です。決済をしたことで含み損から、損失に変わります。
ですが、決済せずに待って、このあと1ドルが100円に戻った場合、10万円分の一時的な損失はなくなります。お金は全く減っていません。
このように決済していないときの、一時的な損失を含み損と呼びます。
含み損は決済をしなければ減ってしまった価値が元に戻る可能性があります。
ですが、資金に対して含み損の割合が大きくなりすぎると、強制ロスカットというものが行われ、強制的に決済が行われます。
強制ロスカットが行われると含み損は確定した損失になり、資金を大きく減らす事になります。そうならないためには、自分の資金に対してロット数を少なめに持つことです。
そうすることで、突然大きな為替変動が起きたとしても、資金に比べて含み損の割合を小さく出来るため、結果として強制ロスカットの可能性を抑えることが出来ます。
まずは資金に対して大きすぎるトレードを行わないことが大切です。
ロットの大小のメリット・デメリット
ロットは大きければいいものではありません。しかし、小さければいいものでもありません。どちらにもメリットとデメリットが存在しています。
■ロットが大きいメリット
- 利益が大きくなりやすい
- 為替変動が小さい日でも利益が出せる
■ロットが小さいメリット
- 初心者でも安心してトレードが行える
- 強制ロスカットの危険が少ない
- 大きな為替変動が来ても耐えられる
■ロットが大きいデメリット
- 損失が大きくなりやすい
- 大きな為替変動で強制ロスカットの危険がある
■ロットが小さいデメリット
- まとまった利益が出しづらい
- 小さな為替変動では利益を出すのが難しい
ロットの大小はどちらが正しいというものではありません。
今の自分にはどれくらいのロットで、どれくらいのメリット・デメリットを覚悟出来るかを考える必要があります。
もし、今の自分に丁度いいロット数が分からない時は、一番少ないロット数で始めるのがおすすめです。
リスクから考えるロットの決め方
FX初心者は含み損が出ても、放置してしまって被害が大きくなることがよくあります。ロットは最小で始めましょう。
FXには強制ロスカットという仕組みがあるおかげで、自分の資金が一瞬で0になったり、借金を抱えてしまうことは、ほぼありません。
ですが、手が付けられないほどに損失が大きくなる前に、自分の手で損失の決済をすることで、傷を小さくすることができます。これを損切りと呼びます。
この損切りは含み損が資金の2%の範囲内のうちに行うのが安心できるラインです。
資金が100万円なら、2万円の含み損が出来た時点で決済を行い、損切りをするということになります。
「2万円もなくなるのは嫌だ!」という気持ちもあると思います。
そういう場合は、1万円で損切りをしたり、もっと少なく5,000円を損切りのラインにしても問題ありません。
ただ、ロットが大き過ぎる場合、一瞬で2万円の損失がでてしまうことがあります。まずは少ないロットから、どれくらいお金が増減するのか確認していきましょう。
どれくらい損失を許容できるか
資金の2%の含み損が出た段階で損切りを行い、損失と考えるのがおすすめです。
しかし、資金の2%の含み損が出たからと言って、必ず損切りする必要はありません。3%でもいいですし、5%でも問題はありません。
なぜ問題ないと言えるのかですが、たとえば、資金の10%まで含み損を許容出来るとします。
1ドル=100円のときに100万円の資金でスタートして、1ロットでトレードした場合、自分の資金が90万円に減るまで損失を許容できるということです。
これは、逆に言えば1ドルが90円まで下がっても耐えられるということになります。
耐えられる幅が広いということは、損切りをしないで済む幅も広いということです。為替変動が自分が望むように動き出すまで耐えられるというのも、一つの強みです。
ですが、どこまで損失を許容できるかを決めておかないと、ずるずると「まだ上がるかもしれない」や「まだ勝てるかもしれない」と思ってしまいます。
結果として、損切りするのが怖い程の損失になってしまったり、強制ロスカットになってしまったりしてしまいます。必ず、どこまで負けられるか決めておきましょう。
月の損失許容額を決めておく
毎月、いくらまでなら損失を出しても問題がないかを決めておくことをおすすめします。
もし、あなたがお給料から毎月3万円をFXに充てても問題がないなら、月の損失許容額を3万円にセットしましょう。
そうすることで、FXでの過剰な損失を防ぎつつ、トレーダーとしての経験を積むことができます。
また、もし月の損失許容額目いっぱいまで負けてしまうのであれば、トレードの手法や考え方が間違ったものである可能性があります。
トレード手法が正しくても負け続けることがあるのがFXです。
ですが、負けが続いたときには一度腰を据えて、自分の手法に間違いがないかチェックしたり、デモトレードで試してみることをおすすめします。
まとめ
この記事ではロットについて様々な角度からことをお伝えしてきました。少し長い記事でしたので、最後に、絶対に覚えておいて欲しいロットの知識を一覧にしておきますね。
- ロットとは10,000通貨をまとめた単位のこと
- 1ロットがいくらなのかは、買いたい・買った通貨の価格を1万倍すると分かる。
- ロット数によって損益は大きく変化する
- 最初は1ロットから始めるのがオススメ
- ロットの大小にはメリットデメリットどちらもある
- ロットと損切りは切っても切り離せない関係
ロット数は感情で決めるのではなく、ルールを持って決めることが大切です。
ですが、複雑なルールを作る必要はありません。まずは自分が守っていけるルールを一つ作ってみることをおすすめします。
たとえば、「資金を倍にしない限りはロットを上げない」や「5万円稼ぐまではロットを上げない」であるとか「勝率が〇〇%いくまではロットを上げない」とか、そういったものからで大丈夫です。(関連記事:FXの危険性と借金のリスク・FXの借金・自己破産の回避する鉄則)
徐々に今の資金や、トレード環境、自身の成長に伴ってロットをその時々に合わせたものに変化させていきましょう。