インジケーターとローソク足で勝つ手法を公開します

インジケーターとローソク足

ネットで検索したり、FXブログを見ているといろいろなインジケーターが紹介されています。無料で公開されているものから有料で販売されている物まであり、どれを選ぶのがベストなのか迷う方も少なくないのではないでしょうか?
でも、MT4などのトレードアプリに必ず付いている標準インジケーターである「移動平均線」とローソク足パターンだけでも勝つことは可能なんです!
この記事では、手法も含め具体的に紹介していきます。

1.代表インジケーターは、「移動平均線」

「移動平均線」と聞くと、いろいろなインジケーターを使ったことのある方の中には「そんな普通のインジケーターで勝つことなんてできるのか?」と思われるかもしれません。
また、良く分からなくて移動平均線を使っていなかった方もいるでしょう。
そこで、この章では「そもそも移動平均線って何?」から「なぜ移動平均線がトレードで勝つために使えるのか」までを解説していきます。

1-1.「移動平均線」とは何か?

英語ではMoving Average、略してMAと表記します。
過去の価格の平均を曲線で表示していくインジケーターになります。
「20MA」であれば過去のローソク足20本分の価格の平均、「50MA」であれば過去50本分の価格の平均ということですね。
実際のチャート画像で見ていきましょう。

移動平均線表示のチャート

赤色の曲線が20MA、黄色の曲線が50MAになっています。
チャートを見ると分かると思いますが、20MAの方がローソク足に近い動きをし、50MAの方が緩やかな曲線になっていますよね。 直近の価格で算出されている20MAの方が現在の価格の近くを付いていく動きになり、より過去までの広い期間の平均価格となる50MAの方が現在の価格から遅れてゆるやかについていく動きになるのです。
したがって、短期的な相場の流れをつかみたいなら小さい数字のMA、より長期的な相場の流れをつかみたいなら大きい数字のMAを使います。

1-2.移動平均線(MA)とローソク足チャートの関係

「過去の平均価格」ということは、違う言い方をすると「その通貨ペアの現在の売れ筋価格」ということになります。
したがって、
・チャートの現在価格がMAより上にある場合は、その通貨ペアは売れ筋価格より高い
→ 買い需要の方が高い(買いたい人の方が多いので価格は上がる)

・チャートの現在価格がMAより下にある場合は、その通貨ペアは売れ筋価格より安い
→ 売り需要の方が高い(買いたい人の方が少ないので価格は下がる)

また、
・「現在価格がMAより上にある」ということは、「売れ筋価格よりも現在の価格は割高な状態」なので、
割高になり過ぎると売れ筋価格に戻ろうとする(価格が下がってくる)傾向になりやすい

・「現在価格がMAより下にある」ということは、「売れ筋価格よりも現在の価格は割安な状態」なので、
割安になり過ぎると売れ筋価格に戻ろうとする(価格が上がってくる)傾向になりやすい
とも言えます。

さて、ここからが重要なポイントになってくるのですが、
・相場の動きが安定している時(いわゆるレンジ相場)は、ローソク足はMAの上と下を行ったり来たりする
→ 基本的には割安になると買いたい人が出てくるし、割高になると売りたい人が出てくるので、ローソク足チャートはMAを行ったり来たりします。
実際のチャート画像で見るとこのようになります。

ローソク足チャートはMAを行ったり来たりします

・売り買いのバランスが崩れている時(いわゆるトレンド相場)は、チャートは平均価格より上下どちらかに偏り続けるようになる
→ 買いの需要が高い時には現在価格が平均まで下がってきたら再び買われて価格は上昇し、売りの需要が高い時には現在価格が平均まで上がってきたら再び売られて価格は下落しやすくなります。
実際のチャート画像で見るとこのようになります。

買いの需要が高い時には現在価格が平均まで下がってきたら再び買われて価格は上昇

1-3.移動平均線(MA)がトレードで使える理由

①トレード判断(買い/売り)がしやすい
「1-1」「1-2」で解説したように、移動平均の仕組みはとてもシンプルなので、基本的な使い方(見方)もシンプルで、順張り派でも逆張り派でも新規注文/決済注文の判断がしやすいです。

②多くのトレーダーに使われている=効く
チャート分析について少しでも調べたり勉強したことのあるトレーダーであれば、移動平均線のことを知らない人はほぼいないでしょう。
また、①で説明したようにトレード判断もしやすいです。
ですので、使っている・もしくは参考にしているトレーダーも比例して多く、そのためMAには反応しやすいのです。

ただし、MAだけを使ってもトレードで勝つのは難しいです。 その理由を次で解説します。

1-4.移動平均線(MA)だけでは勝つのが難しい理由

多くのトレーダーに使われていて仕組みもシンプルなMAですが、なぜMAだけでは勝てないのか?
その理由もMAの仕組みにあるのです。

・MAの設定数字をいくつにするのかはトレーダーによって千差万別で、自分が設定している数値のMAに反応するとは限らない

「1-1」では例として20MAと50MAを使いましたが、この数字は好きな数字に設定でき、どの数値が正解などという答えもありません。
また、MAはさらに細かくは「単純移動平均(SMA)」と「指数移動平均(EMA)」で計算方法が異なり、これもどちらを使うのが正解・不正解というものがありません。
こうなると、バリエーションは無限大になってしまいますよね。

したがって、MAはとても有名で多くのトレーダーが使ったり参考にしている一方で、「どの設定で使えば良いのか?」と悩んだり迷った挙句、「MAはトレードには使えない」と結論付けられがちなように思います。

やはり、トレードの本質は「値動き(ローソク足)から売り手・買い手の攻防を読み解いていく」ことです。 ただし、ローソク足にMAを加えることで「勝ちパターン」が見えてきます!
ということで、この記事では次の章で「相場の世界で30年以上生き延びてきた筆者がオススメするMAの設定と、MAを使ったトレード手法」を解説していきます!

2.MAを活用したトレード手法解説

2-1.MAの設定

多くのトレーダーが悩むMAの設定ですが、筆者はこのような設定で使っています。

もちろん、この設定が「唯一の正解」ではないのですが、まずはこの設定を真似していただき、使っている中で必要に応じで自分好みに調整していくやり方をおすすめします。

・チャートの時間足は「1時間足」以上をおすすめ
時間足は短くなるほどエントリーチャンスが増えますが、ダマシにあう可能性も高くなり難易度が上がります。 ですので、生活スタイルやトレードできる時間帯などに応じて「1時間足」「4時間足」「日足」などを選んでください。

・MAは短期/中期/長期の3つを表示
短期の移動平均線として「20SMA(赤色)」、中期の移動平均線として「50SMA(オレンジ色)」、長期の移動平均線として「100SMA(緑色)」の3本を引きます。
色も合わせると、この記事と同じになり分かりやすくなると思います。

設定はこれだけです!

2-2.MA活用テクニック

トレード手法に入る前に、まずMA活用テクニックを解説します。

2-2-1.ゴールデンクロス、デッドクロス

「2-1」で3本のMAを表示したのには理由があります。

「1-1」で、「短期MAは現在の価格の近くに付いてくる傾向があり、MAの数字が大きくなるほど現在の価格から遅れて付いてくる」と説明しました。
ということは、相場のトレンドが変わる時には、どこかで数字の大きなMAを数字の小さなMAが交差する場面が出てきますよね?
これを「ゴールデンクロス」「デッドクロス」と呼びます。

・ゴールデンクロス
短期MAが中期MA(長期MA)を下から上に交差することを「ゴールデンクロス」と呼びます。
主にアップトレンドへの転換を示唆するサインとして使われます。

ゴールデンクロス

・デッドクロス
短期MAが中期MA(長期MA)を上から下に交差することを「デッドクロス」と呼びます。
主にダウントレンドへの転換を示唆するサインとして使われます。

デッドクロス

2-2-2.G2

移動平均線とローソク足による分析理論に「グランビルの法則」と呼ばれる理論があります。この「グランビルの法則」には、売りと買いの場面それぞれで1番から4番までのパターンがあり、その中の2番を(「グランビルの法則の2番」を略して)「G2」と呼んでいます。

グランビル2番

2-3.トレード手法

「2-2」で紹介したMA活用テクニック(ゴールデンクロス/デッドクロス、G2)と、水平線(レジサポ)を絡めてエントリーを狙っていきます。
チャート画像で具体的に説明します。

2-3-1.ロングエントリーの場合

・エントリー判断(ロングエントリー)
下ヒゲの長いピンバーが出るか、陽線が2本続いたらロングエントリー
・損切り(逆指値)
エントリーするローソク足(もしくはその1本前のローソク足)の安値
・利益確定(指値)
損切りまでの値幅の2倍(例えば損切り値幅が30pipsの場合は、利益確定は60pips先)

※エントリーする際には必ず、損切りの逆指値と利益確定の指値の両方も設定してください。
設定しないと、逆行された時に損切りを躊躇して逃げ遅れ大きな損失を被ったり、順行した時に小さい利幅で決済(いわゆる「チキン利食い」)していまいがちです。感情に左右されるとトータルでの成績は確実に悪化します。

ロングエントリー例

ロングエントリー例

①20MAが50MAに対しゴールデンクロス
②一時的に上昇したローソク足が下がってきて、20MAでG2
また、黒の水平線でレジサポ転換が起きている

ロングエントリー例2

ロングエントリー後、大きく上昇。

2-3-2.ショートエントリーの場合

ショートエントリー例

・エントリー判断(ショートエントリー)
上ヒゲの長いピンバーが出るか、陰線が2本続いたらショートエントリー
・損切り(逆指値)
エントリーするローソク足(もしくはその1本前のローソク足)の高値
・利益確定(指値)
損切りまでの値幅の2倍(例えば損切り値幅が30pipsの場合は、利益確定は60pips先)

※エントリーする際には必ず、損切りの逆指値と利益確定の指値の両方も設定してください。
設定しないと、逆行された時に損切りを躊躇して逃げ遅れ大きな損失を被ったり、順行した時に小さい利幅で決済(いわゆる「チキン利食い」)していまいがちです。感情に左右されるとトータルでの成績は確実に悪化します。

ショートエントリー例

①20MAが50MAに対しデッドクロス
②一時的に下落したローソク足が上がってきて、20MAと100MAでG2
また、黒の水平線で(少しはみ出しているが)レジサポ転換が起きている
→ ショートエントリー

ショートエントリー例 2

ショートエントリー後、大きく下落。

2-3-3.エントリーポイント探しのポイント

①上昇の波形 → 下落の波形(もしくは下落の波形 → 上昇の波形)への変化がはっきりした場面を狙う

「1-2.移動平均線(MA)とローソク足チャートの関係」で「相場の動きが安定している時(いわゆるレンジ相場)は、ローソク足はMAの上と下を行ったり来たりする」と説明しましたが、あいまいな流れの相場で狙うとMAで反応せず突き抜けてしまい損切りになる可能性が高くなります。
ですので、「ロングエントリー例」「ショートエントリー例」のように、「一度大きく反対方向に動いた後のG2」を狙うようにしましょう。

エントリーに向かない相場(レンジ相場)

レンジ相場

・3本のMAが横向き
・3本のMAが頻繁に交差している
→このような相場では、ローソク足はMAを上抜けしたり下抜けしたり繰り返します。

今後エントリーチャンスを探したい相場(トレンド相場)

トレンド相場

・3本のMAが右肩上がり
・3本のMAが交差せず間隔が広がっている(上昇の勢いがある)
→このような相場で、短期MAと中期MAがデッドクロスするとショートエントリーのチャンスが来る可能性が出てきます。

2-3-4.どのくらいの結果が期待できそうか?

この手法を使うとどのくらいの結果が期待できそうなのか?
過去チャート(2019年、GBPUSD、1時間足)を使って筆者が検証してみた結果は、
10勝11敗
と若干負け越しに終わりました。

しかし収支は、
+406pips
となりました。

検証結果表

※この数字は筆者による検証結果であり、検証する人により結果は異なってきます。

なぜ負け越しているのにそんなにプラス収支が出るのか?
それは「損小利大」のトレードルールだからです!

たいていの負け組トレーダーは、「利益はできるだけ早く確定させたい」「含み損はできるだけ確定させたくない」という感情に流されて、いわゆる「コツコツドカン」(小さくたくさん勝って、一度の負けで勝ち分以上に大負けする)を何度も繰り返します。
※必ずしも「コツコツドカンは悪」というわけではないのですが、大半の方は一度のドカンで頭に血が上って冷静なトレードができなくなり、さらに傷口を広げる悪循環を繰り返す結果、負け組になります。ですので筆者は「コツコツドカン」型のトレードはおすすめしません。

逆に「ルールに従ってエントリー判断をすること」「損切りポイント/利益確定ポイントをあらかじめ決めて、エントリー時に必ず逆指値と指値をセットすること」を守れば、トレードの半分以上が負けになっても、資金は増やしていけるということなのです。

3.まとめ

トレード手法というと、何か特別で複雑なインジケーターなどが必要なように思われる方がいるかもしれませんが、多くのトレーダーに知られている「移動平均線」とローソク足だけでも優位性のあるトレードは可能です。

大事なのは、
・インジケーターの特徴を理解し、使いこなすこと
・ルールを明確にし、決めたルールに従って一貫性のあるトレードを継続すること
です。

もう1点、この手法を使ってリアルトレードを始める前に、取り組んで欲しいことがあります。

それは、
・過去チャートを使ってシミュレーショントレード(検証)をしっかり行う
という事です。

「今の自分の力だとどのくらいの結果が期待できるのか」を把握しておくことは非常に重要です。
また、何度も検証を繰り返すことによって、「勝ちやすい形」「負けやすい形」がイメージできるようになってきて、それがトレーダーとしての実力アップに繋がります。

勝ち組トレーダーはもれなく「検証熱心」です。
スポーツの世界でも「基礎練習」をおろそかにするトッププロはいません。
相場の世界での基礎練習は「検証」です。 ぜひ習慣化できるよう取り組んで行きましょう。